初級コース番外編、五葉松の同窓会<前編>

昨年度の初級コースでは、各クラス五葉松を素材に剪定の実習を行ったのですが、その五葉松の植え替えの実習として年度末最終日の3/31にアカデミーで特別日を設けてくださいました。A、Bクラスの方々は、半年以上自宅で各々管理してきた五葉松君たちの同窓会ということになりました。

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 △アカデミーが開催される盆栽美術館お庭の新しい撮影ポイントにて

【同級生たち】

アカデミーの講義が終わってしまうと、なかなかお会いする機会も無くなってしまうのですが、半年以上ぶりに集った面々はやはり懐かしく、ご挨拶だけでもほっこりしました。インストラクターの方々は、皆が持参した五葉松を観察しながら、「皆さん、とても元気に育っていますね」とお褒めのお言葉。うちの子も枯れずに参加できて良かったです。元々の素材選びをしてくださった盆美の盆栽師さんの目利きが大きいと思いますが。。

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【お手本デモンストレーション】

まずは、原先生のデモンストレーションからです。お手本の五葉松は5~6年植え替えていないものとのこと。土と根が固く張りつめて、鉢から取り出すのに竹のヘラを使用したり、ゴム製のハンマーで叩いたりしました。100円均一のお店でゴム製のハンマーは購入できるようなので、備えとして買っておいても良いかもしれません。 

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【鉢の準備】

原先生のお手本では、別の鉢を使用しましたが、今回は持ってきた鉢を使用しての植え替え作業なので、五葉松を鉢から外したら手早く作業をする必要があります。手早く作業するためには、①鉢 ②小さくカットした防虫ネット(鉢底の穴の数分) ③短い針金(ネットの鉢底固定用)④長い針金(盆栽固定用)⑤赤玉土(中粒、小粒、桐生砂を2割混合しておくとベター)⑥鋏 ⑦やっとこ ⑧竹の割りばし というグッズを予め用意しておくのがポイントです。

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 △土や道具の準備をしてくださっているのが上げ膳据え膳感覚

いざ自宅で植替え作業をやってみると、「あ、針金忘れた」「あ、土の準備忘れた」と気づくことが多いですね。料理と一緒で、まずは材料と道具を準備ということです。

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△鉢の準備をまず先に

 【ポイントは手早い作業】

さすが先生、作業がとても早くてシャッタースピードが追い付きません。えっと、まずは鉢から抜き出して→臭いを嗅いで根の健康を確認し→古い土を落としながら根を周りからほぐして(裏側も忘れずにね)→太くて長い根を切り→用意していた鉢に正面を意識して入れる、ですね。ゼーハーゼーハー ▽

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▽続いて、盆栽固定用のワイヤーで鉢と盆栽を合体!→手である程度ワイヤーねじった後はやっとこ(ペンチのような道具)でワイヤーを引っ張ってねじる→土を入れこむ→割り箸ですきこむ(根の間に十分土が入り込むように)。ここまで一気に!▽f:id:katsuo_24:20180408190734j:plain

 【最後はオプション】

f:id:katsuo_24:20180408191718j:plainオプションで保湿力をご希望の方は、100円ショップで水苔を入手し、短くカットして鉢の表面に載せると保湿効果抜群です!ここに苔を混ぜると苔が広がるという秘儀も惜しみなく教えてくださいました。

これで、完成!さあ、鉢底から透明な水が流れ出るまでたっぷりと水を優しくかけましょう。

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 おっと、時間切れです。私たちの植替え作業は後編で~

これでいいのか、やっちゃえ自主練

盆栽の手入れは、樹種(じゅしゅ:樹の種類)によって季節のお手入れの目安がありますが、初心者にはなかなか分からないものです。色々な本が出ているので、参考にするのが良いと思いますが、冬の間にできることをと思いながら自宅の盆栽たちを本を見ながら少し手入れしておりました。盆栽たちが本格的に目を覚ます前に、色々やっておきたいところです。

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△こちらの写真は、昨年春花園でいただいたもみじの新芽ちゃん。細くて小さなこの子も無事に冬を越せたようです。シンメトリに芽が出たのは偶然でしょうか?

 【新たなアイテム】

昨年、埼玉県川口市にある盆栽用具の専門店「昌國(まさくに)」で出会ったときから脳裏に焼き付いて離れなかった憧れの又枝切(またえだきり)という盆栽用の鋏(はさみ)を大宮の盆栽町にある九霞園(きゅうかえん)さんで購入できることを知り、その場で購入!ついに今回のお手入れで出番がきました。新しい道具ってそれだけでワクワクします。

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 【お手入れのお客様:椿(白侘助)様】

年末に深谷で買った土鉢の椿は、まだ寒さが厳しい頃に白く清々しい姿を鑑賞できましたが、花後そのままだとひょろひょろと伸びてしまいそうだったので、剪定を行いました。もうここは思い切ってバッサリ。ビビッていた過去の自分と決別の時です。又枝切君、いい切れ味です!(剪定は2月中旬)

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 △剪定前                   △剪定後

土鉢のままでは色気がないので植替えも行いたいと思いつつ、白い侘助(わびすけ)椿に合いそうな鉢で自分の好みのものになかなか出会えず、しばらくそのままでいましたが、先月の国風展の売店で出会った素敵な鉢をこの椿さんに合わせることにしました。

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織部、飴釉流し(おりべ、あめゆうながし)という鉢です。瀬戸の作家さんが作られたとのこと。やはり鉢が違うだけで見栄えしますね。幹についた針金の跡が目立たない方を正面にしてみました。侘助様、鉢に負けない盆栽にご成長くださいませ。(植え替えは3月上旬)

 【お手入れのお客様:五葉松殿】

お次は、昨年の盆栽アカデミー初級コースで緊張しながら初めて自分で剪定した五葉松くんです。我が家でどうにか半年以上、雨ニモマケズ風ニモマケズ雪ニモ夏ノ暑サニモ…ついでに害虫にもマケズ、丈夫に今日まで生きております。最初は枯らさないかとヒヤヒヤでしたが、意外に丈夫なので気持ちが楽になりました。椿さんだけでは飽き足らず、又枝切を使いたくて、五葉松君のちょっと要らなさそうな小枝も切っちゃいました。ほどほどにね。

そして、五葉松君の全体の姿ですが、初心者なので最初は気にならなかったのですが、あちこちの盆栽園で見事な盆栽たちを見ているうちに、我が家の五葉松君の枝ぶりがイマイチに見えてくるようになったのです。中級コースに進んだ友人たちは、中級コースでこの五葉松の針金掛けをやったようですが、私は自分でやっちゃうことにしました。 

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△Before                 △After

針金掛けはとても難しそうという思いがあったので、針金掛けが特集されていた雑誌も買って盆栽のエキスパートの針金掛けのデモを思い出しながらトライです。雑誌もアカデミーの先生も、「針金掛けは数をこなすのが一番」とのアドバイスだったので、思い切ってチャレンジ。足りないのは勇気だけでした。

はじめはうまくいかなかったので、やり直しましたが、五葉松君は強そうなので、初心者の手荒い扱いでもなんとか耐えてくれそうです。本当は細かな枝まで針金掛けた方が良いのでしょうが、時間もないのでここまで。右がAfterですが、まだまだ理想の形には程遠いですね。(針金掛けは2月中旬)

【お手入れのお客様:枝垂れ梅さん】

こちらの棒きれ、もとい、枝垂れ梅の盆栽なのですが、プラスチックの鉢で土も硬くなっており、いかにも可哀そうです。。というのも、これが我が家に来た最初の盆栽さんで、私が湯島天神の梅まつりで5年前に購入したものです。これまで庭にほったらかし、水やりだけでここまで来ましたが、まあみすぼらしくて気の毒です。今だったらこの姿の盆栽は買わないでしょうが、愛着というやつでしょうか。なんとかもう少し見られる姿にしてあげたいものです。枝も四方八方滅茶苦茶な伸び方で、自由奔放ではありますがこれじゃあねぇ、、とりあえず「これはいらないだろう」という枝だけ切ってみました。 

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△Before                △After

なかなかこの梅に合うような鉢が見つからなかったのですが、このままでは時期が過ぎて植え替えのタイミング逃してしまうので、ホームセンターで買った長方形の鉢に斜めに植えることにしました。棒切れみたいな姿なので、ごつい鉢でも意外に相性良いかもです。(剪定と植え替えは3月上旬)

その他にも、紅葉の植替えと、ツリバナと萩に針金掛けなど、手が空いた時に少しずつ手入れしました。下手して枯れたらどうしようとビビりながらも、自分で買ったものだし、ここで手入れすればきっと将来もっと良くなる!と信じて勇気をもってチャレンジしていたら、なんだか度胸が少し出てきました。

盆栽教室に行ったら、ちゃんと教えて頂けると思いますが、すぐに通えるところに見つけられないし、通う時間もあまりとれないので、しばらく自主練が続きそうです。

 

【おまけ】

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今年は急に桜が満開になりました。名所に行って花見をゆっくりしている時間はないものの、近所の桜もなかなかのものです。

 

初級コースで雑木盆栽植え替えにトライ!<後編>

盆栽の植替えを初めてトライするアカデミー初級コースの受講生たちの奮闘は続きます。(剪定までの作業は<前編>で)

 【幹掃除】

剪定が終わったら、次に取り出したるは「使い古した歯ブラシ」です。盆栽の道具って割り箸やら針金やら色々面白いもの使いますが、今度は歯ブラシ。これでシャカシャカと幹を磨いていきます。

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 これは幹についた汚れを落とすのが目的です。樹を磨くなんて初めて聞いたので意外でしたが、さすが盆栽ちゃん、抜いて捨てられる雑草とちがってセレブ扱いです。飾られる日を夢見て美肌ケアいたしましょう。

教室では皆一斉にシャカシャカタイムです。見落としてしまいがちな汚れや害虫をこのときに綺麗に落とします。「一年に一度は磨いてあげてくださいね」と原先生。我が家の盆栽ちゃん、シャカシャカしてあげてない!帰ったらやってあげようっと。

 さて、いよいよ植え替え作業に移ります。インストラクターの原先生のデモンストレーションを見るところからまいりましょう。

  【植え替え】

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今回は元々入っている鉢をそのまま使用するため、一旦桜を鉢から外し、鉢を雑巾で拭いて綺麗にします。スポッと外す原先生に「え?そんな簡単に抜けちゃうの?」と思いましたが、この苗は1年前に植えたばかりもののようで、簡単に外れるようです。

さあ、ここからは根が乾かないようにさっさと作業します。

まず、鉢の準備です。鉢にも正面と背面があるのですが、今回の鉢は楕円形で模様もないので、キズが無く綺麗に見える方を正面とします。 

f:id:katsuo_24:20180311123220j:plainその後、鉢底の穴に防虫ネットを針金で固定します。通常ひっくり返して見ませんが、鉢底から出た針金の向きも綺麗に整えておくところが、実に奥ゆかしいです。ちょっとした身だしなみですね。

 さて、盆栽固定用の長いワイヤーも鉢底から通し、植えこみやすいように針金を広げておきます。後にこの針金で盆栽を固定するのですが、同じ針金同士で結束しないと、緩んでしまう恐れがあるので、どれとどれが同じ針金の両端なのか注意が必要ですね。 f:id:katsuo_24:20180311123641j:plain

そうして鉢の準備が整ったら、鉢底に粒の大きめの土を薄く敷き、その上に粒の細かな土を真ん中が少し高くなるように盛ります。これは、根の生え方を観察すると分かるのですが、樹の根というのは、外側へ外側へと伸びていく性質があるため、幹の真下に空間ができていることが多く、植え替え時にその空間に新しい土が隙間なく入るようにするためです。

【ブランド土】f:id:katsuo_24:20180311124904j:plain

アカデミーでは実習での植え替え用に土もご準備いただいております。この土ですが、通称「二本線」と呼ばれる土だそうです。この土は少しお値段も高めのようですが、安い土に比べて硬く、鉢に入れて1年たっても粒が壊れにくいので水はけや通気性が良いようです。切れる鋏と土、これだけは盆栽を手入れする上で安物買いの銭失いにならないよう気をつけたいものです。昨年、土の入手に色々ネット探してみましたが、重たいので土の購入はネット通販も有難いですね。(あまり量が多いとベランダでは土の置場にも困りますが。)

  【根の手入れ】

 植え替えのタイミングでしかできないことがあります。さて、それは何でしょう?

A.鉢に隠したへそくりを探す

B.根の健康状態を見る

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アホなこと言ってないで、さっさと「根の健康状態を見る」を実施しましょう。このとき、臭いも確認してみましょう。カビ臭くなければ健康だそうです。

そして、根をほぐします。竹の割りばしを使ってほぐしますが、まずは裏側からぐりぐり。ある程度ほぐれたら、樹の内側から外側に向かって少しずつほぐします。この時に、根ばかりに注意していると、うっかり花芽や小枝を傷つけてしまいますので、幹の根元を持って注意しながら作業します。

もし、根に瘤(こぶ)を発見したら切り除きます。これは「根頭癌腫病(こんとうがんしゅびょう)」という病気だそうですが、切り落とすのが一番とのこと。外科手術ですね。 

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ある程度ほぐれたら、長く伸びた根を切り詰めます。樹は細かな根から水分や養分を吸収しているので、細かな根よりも、太く長い根を切るのだそうです。長くて太い根は重要そうに見えるので、残さなくちゃと思っていましたが、きっとここが素人の勘違いポイントなのでしょうね。

 【新しい土を隙間なく】

 さて、植え替えも終盤です。さっぱりと手入れされた樹を、新たな鉢に予め決めていた正面と鉢の正面を合わせてセットします。位置が決まったら、鉢底からニョキっとだしていたあの針金で樹を鉢に固定します。このとき、「やっとこ」という面白い名前の盆栽用ペンチで針金を挟み、引っ張って捩じりながら締めていきます。同じ針金同士で結束しないと針金が緩むというのはここで実感できますね。やっとこは、盆栽を傷つけないような優しい形状になっているのが工具用ペンチと異なるところです。f:id:katsuo_24:20180311132215j:plainなぜ針金で固定するのかって?いい質問です。鉢植えは深い鉢なので、土も沢山入り、その重さで安定しますが、盆栽は鉢も薄く、土の量もあまり多く入れられないので、万が一強い風や衝撃で倒れた場合、鉢から樹が抜けてしまう恐れがあるからです。これって盆栽特有の方法ですね。ちゃんと固定すると写真のように持ち上げられちゃいます。

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針金での固定が済んだら隙間に土を入れていきます。この時にも竹の箸が大活躍!隙間なく土を根の間に入れこんでいきます。箸をグリグリ動かしたり、鉢を拳でトントン叩くと意外に土が入るものです。どこまで入るか、まるで詰め放題にチャレンジのようです。最後にピンセットに付いているヘラの部分で土をならして完成です!

【では、ご自分で】

皆さん、ご自分の桜を植え替えてみましょう~ となりましたが、見るのとやるのは大違い。「マジか!」と焦らなくても大丈夫です。インストラクターという強い味方が手助けしてくれます。

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 △網を止める針金の曲げ方をインストラクターの手元を見ながら一緒にやってみました。

f:id:katsuo_24:20180311135806j:plain時間の都合でなかなか慌ただしい作業になりましたが、皆さん無事に植え替え完了できました! 

 【休息の場所へ】

 受講生の方々は実習の後、それぞれ自分が植え替えした河津桜の鉢を大切に抱え、培養所に運びます。 

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植替えした後は、たっぷり水をあげます。鉢底から最初は濁った泥水が流れますが、これが透き通ってくるまで水をあげます。泥水が溜まると土が固まり、腐ったり病気になったりしてしまうので、水はたっぷり与えます。

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ちょうどこれから開花の時期ですが、植え替え直後は樹にとても負担がかかっている状態なので、この培養所で盆栽美術館が3月の最後の講義まで預かってくださるとのこと。その間に自宅で受け入れ態勢整えたいですね。3/10以降は持ち帰ることができるとのことでしたので、ご自宅で早速鑑賞されていらっしゃるでしょうか? 

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 △初回の実技で手入した五葉松の盆栽(左奥)と今回植替えした河津桜の盆栽

 

【おまけの疑問】

 なぜ植え替え必要なの?と思う方もいるでしょう、そりゃそうですよねー。ズボラ派の私も、面倒なことはやらずに通り過ぎたいところです。

ちょうど盆栽の特集番組を見て知ったのですが、盆栽は小さな鉢の中で日々成長を続けています。そのため、何年か経つと根が鉢の中でパンパンになってしまうのです。生きている証拠ですね。伸びた根を切ることで、新しい根が生えてきて、成長も促されるようです。盆栽の不思議な魅力を科学的に検証したとても面白い番組でした。

 インストラクターの先生のお話では、水をあげたときに染み込まずに溜まってしまうようになったら植え替え時期とのこと。大体2,3年に一度くらいのペースだそうです。

てなわけで、私も自宅の盆栽ちゃんの植替えそろそろやってあげなくちゃ。

 

【お知らせ】

このステキな盆栽アカデミーの初級コースが本年度も開催されます!募集期間は3/21(水)必着です。ぜひ盆友になりましょう~!

 

初級コースで雑木盆栽植え替えにトライ!<前編>

空に霞がかかり、春を間近に感じる時期です。ご遠慮したい花粉もたくさん降り注いでいます。今回、雑木盆栽の植え替え実習が行われるという盆栽アカデミーの初級コースにお邪魔しました。受講生にはとても楽しみな実習の回です。

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【本日の素材は河津桜

いいですね~、桜。本日の素材は河津桜(かわづざくら)とのことで、受講生の机の上にピンク色に蕾を膨らませた桜の鉢が並んでいます。もうそれだけでワクワクします。伊豆の河津町は他の桜より一足早く並木道にずらりと咲く観光名所ですね。地に生えている大きな樹を見るのも勉強になりそうです。昨年私が受講した初級コースの雑木盆栽の樹種は石榴(ざくろ)でしたが、時期よって素材が異なってくるのでしょう。樹の種類が異なると楽しみが広がります。

▽盆栽アカデミーで丁寧にご用意いただくテキストと道具、素材の数々。ありがたや!

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桜も梅もバラ科ということは恥ずかしながら最近知ったのですが、桜だけでもとても種類が多いようです。ソメイヨシノはお花見で有名ですが、1週間ほどで花が散ってしまいます。そこがまたはかなくて美しいのですが、盆栽となると花の咲く時期が長い方が家の中で楽しめる期間も長くなり、盆栽としてじっくり愉しめるということになりそうです。

 【まずは講義から】

前回、五葉松の手入れをされた皆さん、さすがに緊張していない様子ですが、やはり実際の素材を目の前にされるとソワソワしている様子が伝わってきます。自分が手入れするとなると、どのように進めたらよいのか、インストラクターの先生のご指導が頼りです。

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思い出しましょう。「松は松らしく」「桜は桜らしく」です。自然の中で大地に根を張り、幹や枝を伸ばしていく姿を目の前の盆栽の将来の姿に投影させるのです。これ、頭で理解したつもりでも、イマイチ初心者には難しいのですが、この一年、良い盆栽を鑑賞したり、アカデミーで扱った素材を日々見ていたら、なんとなく見えてきたように感じます。なんとなく、、なので、全く自信はありませんが。こればかりは自分で盆栽を管理しないと分からない点だと思います。私より賢いペッパー君でも無理でしょうね~。

そして、いよいよ実技です。待ってました!まずは雑草取りから。皆さん、前回の五葉松の手入れで経験済みなので、ここはサクサク進みます。

  【デモンストレーションのお手本】

さて、本日のメイン、実技のデモンストレーションです。まずは一番大切な正面を決めるところからです。立ち上がりから幹模様、枝配りなどを考えて正面を決めます。 正面を決めたら、剪定して形を整えます。頭をどこにするか、どの枝を残すのか、、といった初心者にはもうどこから手を付けたらよいのかお手上げになってしまう場面です。

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【大胆なカットに一同騒然】

原先生がまず上に伸びている枝をバッサリ切り落とすと、会場内から「おおーっ」というどよめきが起ります。ですよねー。もったいない!と思うのが人情ってもんです。しかし、原先生曰く、これが鉢植えなのか盆栽に仕立てるのかの違いだと。なるほど。盆栽は手で持てるくらいのサイズに全体を収めるところもポイントです。(盆美で展示されているような大きな盆栽は、とても私たち一般ピーポーの家には置けません)

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△思い切りの良さに「おおー!」っとどよめきの声が

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 △切り口を癒合剤(カットパスター)で保護。切った枝は家に持ち帰って赤玉土に挿し木してみましょう!もしかしたら根がでるかも?

 【一心不乱に作業中】

さて、先生のデモンストレーションが終わると、皆さん自分の盆栽の正面を決めるところからです。各テーブルについて見てくださるインストラクターの先生に相談しながら、進めます。

次に剪定開始です。限られた時間の中で行うため、皆集中して作業を進めます。どうしても不安は募るので、ついインストラクター先生待ちになっちゃいますね。インストラクターの先生方は大忙しです。切るかどうか悩む枝は、今切らなくてもいずれ将来切ることもできるため、今は残しておくという判断もアリのようです。つい今全部仕上げたくなっちゃいますが、急ぐこともないのですね。

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さて、悩みながらも選定を終えた皆様、次は植え替えに移ります。まだ作業は続くのですが、私の時間がタイムアップになってしまいました。後編はまた改めてお届けしますので、よろしくお付き合いくださいませm(_ _)m

 

【おまけ】 

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とても見たかった芙蓉園の竹山浩さんの展覧会に行くことができました!(盆栽美術館で開催されているのでアカデミーの方々はちょうど見られてラッキーですね)

 40年前と現在の姿の写真展示など、盆栽が生きた芸術だということを本当に感じる素晴らしい作品ばかりです。※3/14まで

こくふうてんってなに?

昨年まで私は全く盆栽のことについて知りませんでした。恥ずかしながら今回で92回目を迎える日本で一番歴史のあるメジャーな盆栽の展示会「国風展」も分からないド素人。昭和9年に第1回目が開催された由緒ある展覧会です。今からでもいいじゃないですか。盆栽アカデミーの友人や盆栽に関心あるお友達も誘っていざ見参!

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△中村年孝さん撮影

 【間近に見られるライブです】

2月上旬というまだ寒い時期にもかかわらず、上野にある東京都美術館は盆栽ファンで賑わっています。お隣の上野動物園のパンダの香香(シャンシャン)と人気を二分する勢い!、、とまでは行かないかもしれませんが、盆栽ファンにとっては期待が高まります。なんたって今年の日本一の盆栽を見られる機会なのです。

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盆栽は生き物なので、今一番良くても、来年はその良い状態を保てているか分からないという移ろいゆく美、そこがまた良い点です。

  【国風賞】

広い会場に多くの盆栽が並び、前期と後期の2回に分けて展示されるのですが、私は時間の都合で生憎前期しか行けませんでした。うーん、残念。そして、展示されている作品はどれも見事なのですが、その中でも「国風賞」を受賞するということは、大変な名誉なことで、多くの愛好家がこの「国風賞」を目指しているのです。(私のような素人は、口をあんぐり開けて「へぇー」「ほぉー」言ってるだけです)

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 さすが、日本一の盆栽展です。会場では盆栽アカデミーでお世話になっている先生方にもお会いできました。「盆栽だけでなく、添え(メインの盆栽の流れを受けるように置かれる小さな盆栽や草)や卓(しょく:盆栽を置く台)とのバランスも見てくださいね」とアドバイスいただき、これまで盆栽アカデミーで教えていただいた盆栽の根張りや立ち上がり、幹模様、コケ順、枝配りなど、全体の美しさも鑑賞できるようになったでしょうか。

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  【鉢も見事】

国風賞の作品も何点かあるのですが、どれもその樹ばかりでなく、鉢も見事なのです。

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アカデミーで教えていただいた「鉢映りが良い」という言葉を実感できる作品がずらりとならんでいて、一点ずつゆっくり見ていると丸一日あっても足りないでしょう。初回の観覧としてはまずは全体を見たいところです。

 【展示中の水やり】

そして忘れちゃいけないのが、盆栽は生き物ということです。展示中も水をあげなくてはなりません。ここが絵画や彫刻などの展示会と大きく異なる点でしょう。私たちが会場で鑑賞している間にも、会場で管理される方々が丁寧に水やりやお世話をされていました。 水をあげすぎても展示中に鉢底から水が漏れてしまうので、ちょうどよい水やり加減が要求されるのです。 

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【展覧会後はショッピング】

国風展と同時期に、近くの上野グリーン倶楽部では、立春盆栽大市が開催されるとインストラクターの先生から教えていただいていたので、我々は展覧会会場近くから臨時無料送迎バスに乗って出向きました。盆栽市の会場は建物内1Fから3Fまでと屋外全体に全国の盆栽事業者の方々が自慢の品を並べており、私たちはそれぞれ自分のお目当ての品を求めて四方八方へ。盆栽はもちろん、鉢や鋏などの道具、ミニチュアの置物、盆栽関連書籍など、「盆栽界の玉手箱や~!」と言わんばかりの楽しさです。

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あっという間に時間が経ち、ちょっとお買い物して皆満足して帰路につきました。

 

【おまけ】

この日はプロカメラマンの中村年孝さんも一緒に行ってくださったので、特別ミニ写真展です。どの世界もやはりプロは違いますね~

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撮影のプロは着眼点も新鮮

日本を代表する樹齢450年の五葉松の銘木「日暮し」が展示されるというニュースと、撮影エリア拡大というニュースを聞きつけ、盆栽仲間の友人に加え、日本美術の学芸員資格をお持ちのプロカメラマン、中村年孝さんと一緒に大宮盆栽美術館に出かけました。 f:id:katsuo_24:20180212170526j:plain

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△中村さん撮影のかえでと野梅(やばい)。辺りに漂う梅の香りが心地よく、幸せな気分になります。

【名木に表裏なし】

お目当ての「日暮し」が飾られている展示場所は撮影禁止なので、写真アップできませんが、盆美のサイトから写真を見られます。写真だけでも風格が分かりますね~。下世話な話をすれば、評価額1億円以上という話題だけで、どんなものかと見たくなります。ヴァイオリンの名器、ストラディバリウスの値段を聞くと途端に良い音色に聞こえてしまう私のような庶民には、分かりやすい話ですが。

それはさておき、写真と違い、実際に近くで見ることの良さといったら、それは「空間の美」を堪能できることでしょう。同時に展示されている掛軸や添えの盆栽、器もどれも見惚れてしまい、なんとも優美な調和された空間がございます。ここでお茶をいただけたら、、なんて妄想が膨らみます。

通常、盆栽は正面があるのですが、「名木に表裏なし」と言われる「日暮し」は、実際に行ってみないとどちらを正面として展示されているのか分からないところが楽しみなのだと教えてくださった盆栽のエキスパートに盆美で出会いました。そして、今は「日暮し」の状態が良い時期のようだと教えて頂きました。同じ樹でも調子の良いときと悪いときがあるとは!またひとつお利口になりました。※展示は2月14日までです。

 【撮影エリア拡大】

これまで盆栽美術館では、建物入口正面の盆栽とお庭の一部が「撮影可能エリア」として許可されていましたが、この度、お庭の撮影可能エリアが拡大されていました。

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△拡大された「撮影可能エリア」(かつおぶし撮影)

これは大変嬉しいことです。丁寧に手入れされている季節の盆栽たちの姿を撮影できるのは盆美のもう一つの楽しみ方です。残念なのは、どうしても背景に色々映り込んでしまうので、盆栽だけの写真が撮れないことです。もっと綺麗に撮れたらインスタもやってみたいのになー。(今はブログだけで精いっぱいですがwww)

さて、プロのカメラマンはこのような規制がある場所でどうやって撮影するのでしょう。私もプロのエッセンスを真似してみようと、後を追っかけました。

 【ポイントを探す】

つい対象物全体を入れて撮影したくなりますが、プロの視点は「まず、この盆栽のどこを一番見せたいか」というポイントを探すことからだそうです。見上げて大樹に見えるように~とこれまでバカの一つ覚えのように撮影しておりましたが、無理に全体を入れなくても、ポイントを絞って伝えたいことを表現するということを学習しました。

▽松の細かな枝と葉の硬質なイメージを伝えたかった写真(かつおぶし撮影)

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 【余計なものを入れない】

そうなんですよ。私もそれは常々思っておりまして。。しかし、お庭の展示では背景に色々映り込んでしまうのです。そこで悩んでいたら、中村さんが背景を逆手にとって撮影されていらっしゃるではないですか!早速真似です。

▽プロの真似して同じ位置から撮った写真(かつおぶし撮影)

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【日当たりを活かす】

私は、盆栽や植物は日陰の方が色がはっきりして良いのかと思っていましたが、中村さんに伺うと、「日陰よりも日向の方がその影が出て立体感が出ます」とのこと。実際に日向側から撮った写真と日陰側から撮った写真を見比べさせてくださいました。そんな見方があったとは。。

それでは、私たち一般人でも撮影可能なエリアで写したプロの写真をご紹介しましょう。

【写真家 中村年孝ワールド】

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上から、野梅(やばい)、五葉松 銘「うず潮」、五葉松 名「敷島」 、黒松

 

【おまけ】

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トップのかえでのシルエット写真を撮影しているときの中村さんのお姿。さすがプロ、良い写真を撮るためなら、こんな姿勢もへっちゃらのようです(笑)。私がやったらうっかり躓いて倒れたのかと警備員さんに心配されそうです。

 

 【お知らせ】

現在、上野で「国風展」も開催されております。前期は終わってしまいましたが、13日~16日の間、後期の展示があります。展示盆栽は前期と全部入れ替えるそうなので、こちらも見逃せない!うーん、体が2つ欲しい!

 

雪ですが。凍っちゃいましたが。

先日、天気予報が寒波と大雪の予報を出していたので、朝出かけるときにもみじや捩幹石榴(ねじかんざくろ)といった寒さに弱い雑木盆栽は、発泡スチロールの俄かムロに入れ、軒下に避難させておきました。(ムロとは、盆栽を冬の寒さから防ぐビニールハウスみたいな設備)

インストラクターの先生が写真で紹介してくださった風雪に耐える自然界の杉の写真が脳裏に浮かび、五葉松と真柏の松柏盆栽は、針葉樹なので元から寒さには強いから大丈夫だろうと、屋外に出したまま出かけました。

 午後からどんどん雪が降り続け、夜帰宅したときには我が家も雪国でした。雪景色を見るのは好きですが、我が家の盆栽ちゃんたちは、無事でしょうか。。

 【ミニチュア樹氷出現】

帰宅後すぐ庭に出てみると、ええ、そこにはミニチュア樹氷がこんもりと出来上がっておりました。

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なかなか風情があるじゃないか。なんて一瞬思ったものの、これは大変!いくら寒さに強いからって、これではあまりにも寒そうです。庭木に積もった雪はそのままでも、盆栽ちゃんたちは全体のサイズが小さいので、雪の影響が分からず心配です。

まずは、手で積もった雪を払っていましたが、どこまでが雪なのか分からないので、手が当たってうまく雪を払えませんでした。幸い鉢が小さめなので、慎重に根元を持って鉢ごと逆さにして雪を落としました(←大胆?)。今思えば、これは、積もってすぐなのでできることですね。雪は降ってから時間が経つと硬くなってしまうので、雪かき同様、積もったら早めに落とすのが良さそうです。この晩は、深夜まで降り続きそうだったので、さすがに松柏盆栽たちも軒下に避難させました。

  【凍った盆栽に戸惑う素人】

雪は翌朝には止みましたが、まだまだ寒波は居座っております。2日経っても極寒の日々。人も冬用下着とカイロで武装して外出しないとたまらない寒さです。

凍てつく寒さが続く朝、軒下に置いた盆栽ちゃんたちを見たら、なんと土が盛り上がっているじゃないですか!

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こ、これはもしや霜系?!土が凍ってるってことじゃないか!と、自然界では見慣れていることでも、盆栽となると急にビビります。盆栽初心者ですから。

しかも、日中は外出しなければならないので、土が溶けるまで待っていられません。水やり目安と言われる土の表面は乾いているものの、土の中は凍っているし、、水をあげていいものか、このままでいいのか、はたまた家の中に避難させるべきか、、悩みます。

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家の中に全部避難するスペースもありませんし、家の中に入れたとしても、水やりはどうするの?とまた悩みます。

 そこで、アカデミーの仲間グループに聞いてみました。同期の方々も、私のような初心者から、何年も盆栽をお持ちのベテランまでいるので、きっと私のようにこの雪で悩んでいるお友達も多いはずです。

やはり、同じように悩んでいらっしゃるお友達がいました。そして、時間的に余裕がなかったので、エキスパートに聞いちゃいました。お忙しいところすみませんが、教えてください~

 【エキスパートの救いの声】

エキスパートからの回答は、実に落ち着いていらっしゃいました。

「土が盛り上がるのは冬場は当たり前なので気にすることはありません。盆栽園でも屋外で野ざらしです。ただ、雪や氷の溶けた水は期待できないので、日中11:00頃から15:00くらいの間にたっぷり水やりをします。15:00以降はまた水分が凍ってしまうので、逆に水やりはやりません。自分自身、日中水をあげられない場合は、朝鉢に水をたっぷりあげて出かけます。」とのこと。

 私は素人考えで雪や氷が溶ければ、自然に水やりになるのではないかと思いましたが、エキスパートによると、雪の水分量というのは想像以上に足りないので、水やりをしなければならないようです。できるなら、鉢の縁に水がたまるくらいあげた方が良いとのこと。(私の盆栽ちゃんは鉢の縁より土が盛り上がっているのでダメですが)

プロの世界では、土に空気を入れるというイメージで水を与えるそうです。なるほどー!鉢底から水がしたたるくらい水をあげるというのは、土に水分と空気を入れるためなのか。鉢の中の古い水を洗い流す、という作業と捉えると分かりやすいかもしれません。土を良い状態に保ち、根を健康に保つことが重要なんですね。 

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ということで、私もたっぷり水をあげて、日向に置いて出かけました。お友達にもエキスパートのアドバイスをすぐにお伝えしました。

【盆友先輩たちの声】

盆栽歴の長いお友達からもたくさんの雪が積もった盆栽たちが庭に並んでいる写真の投稿がありました。

▽盆友先輩の御宅の盆栽たち

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たくさんの盆栽をお持ちの先輩方は雪くらいでビビらないようです(笑)。とはいえ、先輩方も盆栽たちは野ざらし状態ながらも、ちゃんと1鉢1鉢見守って、土が溶けてから水やりをしたり、乾ききったものは水に浸すなど、丁寧にお世話されているようです。

一方、「溶けてから水やりをするようにしています。それでも春になると、水が凍ったため、割れたり、ひびが入る鉢がいくつかあります。」というお話は、愛情もって育てられていらっしゃるが故の、とても残念な気持ちが伝わってきます。こうした先輩方の経験談は、私たちのような初心者にはとても心強いですね。

経験談を共有していただける盆友先輩たちもアカデミーで一緒に受講したことから繋がるきっかけができました。自宅で一人で買ってきた盆栽持っていても、悩んで困っていただろうなと思うと、大変有難いです。

 【ムロに入れる意味】

たまたま雪が降る前に盆栽アカデミーのインストラクターさんに立ち話で聞いていたのですが、冬の管理方法で「発泡スチロールに盆栽を入れて、蓋はしないで外に置いておく」というのは、盆栽自体を北風に当てないようにするということが肝心のようです。ベランダなどで育てる場合、ムロに入れなくても北風を直接受けないようにするだけで良いとのことでした。鉢を保温するためだと勝手に思っていた自分の曖昧な解釈を修正できて良かったです。

ちゃんとした設備を整えなくても、盆栽を楽しめる。初心者には嬉しいアドバイスです。さすがインストラクターさん、頼りになります!

 

 【オマケ】

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ちょうど先週富士吉田に行ったのでパチリ。富士山はこの時期、当然ながら雪をいっぱい被っていました。木々たちも寒そうですが、そっか、盆栽はこうした自然の風景のミニチュアなんですよね。