水石遊びでほぐす石頭(後編)

さて、水石の歴史を学んだあとは、実物を使ってデモンストレーションいただくお楽しみの鑑賞です。なかなかライブでは見ることがない、水石の展示方法や鑑賞方法をご紹介いただきました。

 【精神統一の作業】

教室前方でアシスタントの方が、水石を飾る鉢を用意しています。水盤一面に張った砂を刷毛で丁寧にならしています。水石の展示は見たことがありましたが、事前の作業を間近で見るのは初めてです。刷毛でならすのかー。ほうほう。

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滑らかな手つきで左右に刷毛でならすというのも、意外に難しそうです。なんとなく、書を書く前の墨を磨る(する)ような、精神統一の作業を見ているようです。

▽ささ、こちらが、水石を配置した水盤でございます。どうでしょう。雲海に浮かび、朝日に赤く照らされた山のように見えてきます。この背景に朝日の掛け軸を掛けてくださいました。

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▽そして、背景の掛け軸を変えると、あら不思議、雨に洗われた紅葉の山々がそこに現れます。(奥)

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 【鑑賞方法は遊びのこころ】

石の向きや角度を変えることによって、見える風景も違ってきます。森前氏でも悩むそうです。何が見えるかを楽しむことが水石なのでしょうから、「こうでなければいけない」と堅苦しく決まっていないところがいいですね。

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△卓(しょく)の高低差を利用してジオラマのような風景を演出することもできます。 山の麓にぽつんと佇む古い庵の風景が感じられます。 

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△単に石だけを鑑賞するだけでなく、小さな庵の置物を石の上に置くだけで、その石が山となったり海辺の岸壁になったり、と、様々な景色が浮かんできます。盆栽同様、デジタル時代の今日になんとも優雅な遊び方ですね。

【水石の発見方法】

水石は、盆栽と違って成長しないので、新しい水石はどのように入手するのかと不思議になりますよね?それは、ズバリ「河原で拾う」という、子どもの遊びのような見つけ方だそうです。水石協会が国交省に問い合わせをしたところ、日本の河川で、景観を損ねない程度(リュックに入れて手で持ち帰れる1,2個くらい)であれば、河原で石を採取しても良いらしいです。営利目的としない趣味の範囲内でねってことでしょう。

水石の展示で気になっていたことがもう一つ、「花崗岩(かこうがん)」とか「石灰岩(せっかいがん)」という鉱物の種類で呼ぶのではなく、「賀茂川石(かもがわいし)」「鞍馬石(くらまいし)」という、良く聞く河川や地名の名前で表示されているということ。水石は河原の石ころなので、採取地で表すそうです。そうした呼び方の方が由来も分かるし、展示した時も風流ですね。

【石が変化する?】

生きた芸術の盆栽と違い、石って変わらないものだと思っていませんか?ですよねー。普通。しかし、石も長いながーい年月をかけて徐々に風化され、変化するようです。驚いたのは、水石は押入れにしまっておいて、飾るときだけ「よいしょ」って出すものだと思っていたら、なんと、水石も盆栽棚のような屋外の雨水が当たる場所で割りばしなどの上に置いて管理するとのこと。「養石(ようせき)」といいます。自然の風雨に晒して、何年もかけて味わいを醸し出すのだそうです。水道水はカルキが入っているので、雨水がいいようです。うひゃー、忍耐力ないので私は待てませんが2~3年でも変化するのですと。録画して100万倍速の動画見たくなります。

【世界では?】

世界で盆栽がBONSAIとして人気があるように、水石も世界で認知されているようです。Viewing Stoneといわれ、欧米では日本の水石文化の模倣が主流のようですが、中国をはじめとしたアジア圏では、日本よりも古くから珍石や奇石が鑑賞されており、石から生まれた孫悟空のように、石自体にパワーがあるような石が好まれているようです。所変われば感受性の文化も変わるものですね。

 

  【おまけ】

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いました。ここに、もの好きが。10年以上前に、海辺で見かけて面白い形だったので持ち帰った石ころです。我が家にあったことを思い出し、夏っぽく飾ってみました。

 

 

変化する水石、瞑想の旅(前編)

盆栽アカデミーの中級コースでは、盆栽だけでなく「水石(すいせき)」と呼ばれる石の鑑賞についても講義があります。箱に銘まで入って、骨董品のような雰囲気満点! 

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とはいえ、石でしょ?盆栽ですらまともに出来ていないのに、まだまだそこまで行けないなー。という、ちょっとした抵抗感のようなものがありますが、今回の講義は、新たな世界を垣間見られそうです。

【美術品?それともただの?】

水石って、やっぱりお高いんでしょう??と、小市民は思いますよね。(←なぜか同意を求める)お値段は私には不明です。まあ、需要と供給のバランスと言ってしまえばそれまでのことでしょうが、盆栽と同じで、銘がついた有名な水石もあります。一番古いものは、徳川美術館所蔵の「夢の浮橋」という盆石(ぼんせき:水石と呼ばれる以前の呼び名)で、後醍醐天皇の所蔵だったようです。有名な盆石は銘でググってもすぐ出てきますね。

以前から気になっていた水石の下の板は、石の底にチョークをつけて、何度も何度も当たる部分を削って精緻に凹凸を石の形に合わせて一つずつ特注品として作るそうです。▽見本の水石

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石の底を平らに削ってしまうと、水盤に飾った時に沈んでしまい、氷山のように下に続いている感じが損なわれてしまうので、あえて石は凸凹を残し、台座の方を削って合わせるとのこと。特注の台座をあつらえてもらえる石も幸せ者です。ただの石と水石って何が違うんでしょうか。

 【水石とは山水情景石】

京都の竜安寺石庭は、日本人だけでなく、世界で有名な禅のシンボリックな石ですが、庭に石を配置して山や川などの風景を感じさせるものだけでなく、盆栽のように床の間に飾って鑑賞する「水石」は、心象の世界を楽しむ文化だそうです。

つまり、木々などの植物や滝や川などの自然は移ろいやすい風景ですが、同じ自然を構成するものの中でも、石という時間の変化がほとんどないものは、「不変のもの」として信仰の対象だったようです。こう語るのは、日本水石協会の事務局長、森前誠二氏。

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水石の魅力を歴史から鑑賞方法までたっぷり講義してくださいました。

【日本にもあったストーンサークル

イギリスのストーンサークルは有名ですが、日本にも縄文時代にあったそうです。スライドで森前氏が紹介してくれました。驚きです!石を円形に並べるって、古代からパワースポット的な場所だったのでしょう。

【歴史と共に日本独自の美意識へ】

飛鳥・白鳳時代を経て、乱を逃れてきた百済人により、仏教と共に文化が日本に本格的に普及しました。その後、奈良時代には唐の宮廷文化の模倣がされ、そこから日本独自の自然信仰の思想で、平安時代にあの世を表した浄土式庭園が広まったとのことです。と、あっさり書いていますが、ものすごい時代の流れがあったことでしょう。はたして「あの世は豪華絢爛」という唐の文化から、「広々として静か」という日本人の美意識?がどのように育まれたのか、、歴史好きにはたまらない想像力をかきたてるドラマがいくつもありそうです。

【現代の水石へ】

その後、東山文化から室町・安土桃山時代で「侘び」「寂び」という美意識が形成され、茶道具のひとつとして盆石(水石と呼ばれる前)が小堀遠州らによって広められたとのこと。江戸時代には煎茶道と共に、明治から昭和にかけては、盆栽の広がりと共に水石も広がってきたようです。へぇー、盆栽と水石って、歴史上似たような変遷をたどっているのですね。だから対と言われているのでしょうね。

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△庵のような形をした水石、丸みを帯びているためか、無機質な石でもなぜかほっこりとした温かみを感じるのが不思議です。

森前氏のお話は、たっぷりの知識はもちろんのこと、楽しそうにお話しされる姿から水石愛が伝わってくるので聞いている方もついつい引き込まれます。やっぱり水石もいいなぁ~と、いつの間にか水石ワールドに入っているのです。

                       

                         (お楽しみの鑑賞は後編で!)

 

 

夏休み、子ども企画が大人にウケる訳

この暑さで人間も動物も盆栽も、日本列島皆参っています。推定樹齢1,000年と言われている「轟(とどろき)」という銘の盆栽も、さすがに生まれてこのかた、今年のような酷暑はご経験ないのではないでしょうか?▽盆栽の正面ではなく、裏側から撮影していますが、シルエットでもステキな姿です。

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【室内でひんやり、生き返る】

そんな中、大宮盆栽美術館の企画展示室では、「子ども盆栽美術館」として、子どもたちに分かりやすくパネル展示が行われています。盆栽美術館も、エアコンを効かせた室内展示で、熱中症を気にせず訪れられるよう、気を配って企画していますねー。 

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さてさて、この企画、盆栽アカデミーの受講生たちの間でなかなかの人気なのです。撮影可能だったので、一部をご紹介。

 【基本を思い出せ!】

盆栽を学びだしてまだ1年少ししか経っていないくせに、色々知ったかぶりしてきている自分を見返すとても良い機会なのです。まず、「盆栽ってなに?」からですよ。もう、某N局のチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ!」って叱られそうです。 

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なぜ大人にウケているのかって、パネルです。パネル展示というのは、「いかに文字量を少なく、ポイントを押さえて飽きさせずに見せるか」というとてもプロフェッショナルな技術を要するものなのですが、そのまとめ方がお見事!

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 パッと見ただけで要点が分かるため、盆栽アカデミーの復習まとめみたいな位置づけとなり、ハッと思い起こされることとなりました。

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このカレンダーなんか、自宅のトイレとかに張りたくなります。今日は何の日?的にね。

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この学習ノート、パネル展示ちゃんと見ないと盆栽の手入れの達人でもできないでしょう。よくできてる! 

【大人でも難しい!】

こちら、大きなマグネットになっており、春・夏・秋・冬のそれぞれの盆栽を写真で見分けて貼って遊ぶパネルです。 

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これがなかなかの曲者でしてねぇ。。相当意地悪な学芸員さんの仕込みではないかと私は勝手に推測しています。ニヤリ。だって、松柏盆栽なんて常緑樹で年中葉っぱが緑色なんだから、写真で季節を当てろってそんなん、無理やー!しかも、出猩々(でしょうじょう)という、春の葉っぱが紅い紅葉の種類のパネルが紛れているとか、、もう、意地悪すぎやー!というツッコミしながら遊ぶのも、大人もついハマってしまう感じです。ちなみに、この写真は裏側の解説で答えをちゃんと見てから貼っています。大人の計算高さが表れたショットでございます。

【絵本コーナー】

展示室の一角に絵本の本棚が設置してあります。畳も敷いてあるので、裸足でくつろげるスペースとなっているのが親子への優しさを感じます。

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特に盆栽の絵本が、可愛らしいイラストで盆栽の手入れ方法が描かれているのですが、大人が見てもとても参考になる絵本で、友人もすぐにネットで注文していました。何度見てもほっこりしながら学べる絵本って、子どもと一緒に見ながら盆栽育てるプライスレスな時間を過ごせそうです。

  

【おまけ:実りの準備】

こちら、盆美玄関入ったところの展示の盆栽さんのアップです。何かの実がなっていますが、

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何だろう?と思いながらパネルを見て、思わず「へぇー」が出ました。どんぐりの赤ちゃんです。帽子の部分だけだと、どんぐりってすぐ分かりませんでした。

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視覚で涼を感じる粋な演出の展示です。

 

 

中級、実技シリーズ <エピソード3 ~45度の躾~>

ちょっとアップ遅れてしまいましたが、いよいよ、中級の一番大きな?実技トピックの「針金掛け」の基礎編です。先輩方からすると、これをやらずして盆栽を語ろうなんざ、100年早えよ!ってな感じでしょうか。 ▽針金掛けの色々見本

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針金を掛けるとなるといよいよ「盆栽やってるねー」みたいな、ちょっと自尊心くすぐられる技なので、この一歩は初心者でもぜひチャレンジしたいところです。

 【準備万端!】

今回も実技用に各自のテーブルに道具と素材が用意されていました。毎度スタッフの方々のお気遣いに感謝です。もちろんですが、今回は針金切り(左写真のピンセット右隣)があります。盆栽用の先端が丸いものは持っていないので、私が次に欲しい道具の一つです。 

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 【赤松と黒松の違い】

今日の素材は黒松くんです。小さな苗だと見分け付きにくいのですが、赤松と黒松の違いは、芽の色で判断できるようです。赤松の芽は赤っぽく、黒松の芽は白っぽいのです。これも実物見比べるのが一番手っ取り早いです。(写真がなくてすみません。ネットで探してください。←得意の放り投げ)

「短葉法(たんようほう)」という作業を赤松も黒松も行いますが、これは初級コースで既に習っているので、今回はやりません。どうやら同じ素材で初級コースの方が練習するそうです。短葉法は、赤松は6月中に、黒松は6月下旬から7月上旬に行うのが良いとのこと。その後、秋に新芽が同じところから3つ以上出て来たら、新芽を2つ以下に切り取る「芽かき」という作業を行います。

盆栽って、なんでこう、専門用語が多いんでしょうねぇ。未だに私は使い分けられません。「長くて強い芽は切る」「先端は二又にする」だけでもいいんじゃないかと思っています。

【樹形づくり、作業の三要素】

盆栽の全体の形を整える作業として、①切る②傾ける③曲げる、という3つの要素があげられるようです。これまでの実技で、剪定して樹形を作る「切る」作業と、植え付け角度を変える「傾ける」というのは初級でやりました。

中級では、針金を掛けて「曲げる」作業を学びます。この曲げるという作業がとても重要で、「形小相大」を表現して盆栽らしくなるポイントです。

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針金掛けは、素人が見ると「痛々しい」と不自然さを感じてしまうかもしれません。実際、私も盆栽を始める前はそう思っていました。しかし、これをペットの躾と思えば、似たようなことかもしれません。庭木や街路樹も剪定して人間の都合によって手を入れています。愛情をもって「こんな風に成長してね」という気持ちを込めて剪定や針金掛けを行うのです。原師匠がご自分の指に針金を巻いて、針金を巻く強さは、自分の指に巻くくらいの強さだと目安を教えてくださいました。人が痛いものは木も痛いのね。

【生木でやる前に】

まず、練習用として各自のテーブルに用意されている二又の枯れ枝に針金を巻いていきます。ここで注意したいのが、斜め45度でピッチを同じ間隔で巻いていくということです。ピッチとは、幹や枝に巻いた針金と針金の間の幅です。分かれた枝に針金を掛ける場合は、先にかけた針金の上にクロスしないよう、添わせるように巻いていきます。

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これを右巻き、左巻きと巻く方向を変えて練習しますが、右利きの人は右巻きがやりやすく、左利きの人は左巻がやりやすいようで、盆栽の流れ方も右利きの人は右に流れる作りになりやすいらしいです。私もどうも右流れの方が落ち着くのはそうした癖からなのでしょうか。

【師匠のお手本です】

今回の苗木は、針金掛けは初めての方にもやりやすいように選んでくださっています。まず、幹に針金を掛けるために、針金の先端を幹の根元に45度の角度で差し込みます。

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その時、土が固くて直接針金を差し込めない場合、太めの針金で先端を鋭利に切ったものを予めグリグリと差し込み、穴を開けてから矯正用の針金を差し込みます。長いネジを入れる前にキリで穴を開けるようなイメージです。

針金を幹に巻き付けるときは、針金を持っていない方の手で幹と針金をしっかり固定させて握るのがポイントです。ここをしっかり握らないと、巻き方が緩み、針金が浮いてしまい、結果として曲げの力がうまく木に伝わりません。根元の部分が特に重要だそうです。

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ピッチを同じように、45度の角度でぐるぐると巻いていきます。巻き終わりは、今年の新芽(青々と色が違うので分かりやすいです)の手前までです。巻きたい幹や枝の長さの約1.5倍の長さの針金を用意し、巻き終わりは幹に絡み付け、見栄えも良くするために裏側で切ります。

【右巻き、左巻き、引掛ける、そしてジンにも】

見本の鉢では、針金が右巻きと左巻きがあります。これはなぜ??と思っていたところ、盆栽の中心となる幹から右側に生えている幹は右に曲げて広げていき、左側は左側に広げていき、全体的に空間を作っていくためとのこと。曲げたい方向を予め決めておき、曲げが効きやすい方向に針金も巻くのだそうです。

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やりやすいので、うっかり全部右巻きにしちゃうところでした。

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△こちらは見本。針金を掛けたい枝は反対側(ピンボケ部分)の枝なのですが、針金を固定させるために引掛ける枝をあえて全部切り落とさずに残しています。

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△これはジン(枝先が白く枯れた部分)に針金をかけた見本。ジンを作った時に同時に針金掛けも行います。硬くなってしまってからでは曲げられなくなってしまいます。

また、写真はありませんが、曲がった枝に針金を掛けるときの注意として、曲がっている頂点部分に針金がかかるようにし、その枝を曲げたときに緩まないようにするのもポイントとのことです。

 【皆でぐるぐる】

さて、師匠のお手本を見た後、教室では各自が針金掛けにチャレンジです。今回の素材は一鉢に苗が何本も寄せ植えされています。

まず、正面を決めますが、これは中でも太くて主役になりそうなものを1本選び、その幹が見える面を正面とします。次に、中心部分の太くて長い苗から周辺の細い苗の順に針金を掛けていきます。針金を土の深くまで差し込みますが、差し込む位置は、正面から見えない方、つまり、裏側に45度の角度で差し込みます。かなりグイグイ土に差し込みますが、その時根を痛めることになっても大丈夫だそうです。強いですね。

そして、主役より右側に生えている苗は右巻きに、左側に生えている苗は左巻きにぐるぐる。枝がないので、真っすぐ1本の針金だけで割合簡単ですが、本数が多いので、良い練習になりました。

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ビフォーアフターを記録したら、癒しの培養所へ】

さて、私の黒松君もおそまつながら針金掛け完了です(また寒い風が。。)。何も切っていないのですが、針金掛けて姿勢を整えるだけでなんとなくスッキリ見えるから不思議です。

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針金をぐるぐるした後は、さすがに黒松君といえど、突然の躾に驚いてしまっているので、水をたっぷりあげて培養所で休養させます。お隣では、同じアカデミーの方々の紅葉が青々と茂っておりました。こちらも成長が楽しみですねー。

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【夏仕様】

一方、盆栽アカデミーの会場がある大宮盆栽美術館のお庭では、この時期の風物詩?寒冷紗が、ちゃんと設置されています。

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葉や根を切ったり、少ない土で育てたりと、大変窮屈な思いをさせてしまっていますが、天然では寒冷紗も栄養も無いので、たとえ針金掛けて姿勢をキリリと躾けられても、やはり盆栽ちゃんたちはセレブ扱いで、大切にされていますね。

 

【おまけ】

今回の実習中に、ひょっこりカマキリちゃんが参加していました。どこからともなく現れた爪の先ほどの大きさのカマキリちゃん。柔らかそうな若草色でなんとも癒されます。私たちのテーブルでちょっとした人気者でした~

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ギャラリートーク「貴重盆栽」の巻

【GT初参加】

先月、友人がGTに参加するというので、私も一緒に参加してみました。グレートティーチャーではなく、「ギャラリートーク」です。寒いですか。そうですか。

 毎月、盆栽美術館ではギャラリートークというイベントが開催されています。その時の展示に合わせ、盆栽師さんや学芸員さんが鑑賞方法やバックグラウンドを解説しながら盆栽を鑑賞できるので、一人で鑑賞するよりも格段に中身の濃い鑑賞ができます。

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300円という入場料だけで、普段の展示鑑賞に加えて専門家のギャラリートークも聞けるので、タイミングを合わせて遠方からいらっしゃる方もいるようです。今回は「貴重盆栽」のギャラリートークです。

【専門家の解説は、お得感満載!】

館内アナウンスがあり、開始時刻に盆美のロビーに集合すると、結構な人数が集まっていました。本日は学芸員の田口さんにご案内いただきます。

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当日、盆美ロビーに飾られているのは花梨でした。お正月のバラエティー番組の格付けチェックでは、花梨の冬の姿でしたが、今は緑が生い茂る瑞々しい姿です。私も1年前は花梨が盆栽になるとは全く知らなかったのですが、冬の姿を見ると、まあ惚れ惚れしちゃいます。

さて、この花梨、実は「貴重盆栽第1号」だそうで、盆栽美術館のロビーでは3日間だけの展示とのことです。それこそ貴重な機会に見ることができました。

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【どれもが貴重盆栽になれるわけじゃない】

「貴重盆栽」という制度は1980年に登録制度が始まったそうです。約40年前なので、盆栽の歴史に比べたら比較的最近の話ですね。盆栽園や国風展で時折「貴重盆栽」という文字を見かけておりましたが、どういう盆栽が貴重なのか疑問ですよね。

登録されるためには次の3つの条件があるようです。

その1)樹形が素晴らしい

その2)樹齢が長い

その3)所蔵歴が良い

とのこと。さて、順にみていきましょう。

 その1)樹形が素晴らしい

見たままで分かるポイントです。樹形(じゅけい:正面から見たときに「ようこそ」と両腕を広げているような姿で、横から見たときに頭と呼ばれる盆栽の一番上の部分が少しお辞儀をしているように見えるものが良い)、根張り(ねばり:根がどっしりと広がっている)、立ち上がり(根元から幹にかけての大元部分)、幹模様(みきもよう:幹が描く曲線)、コケ順(こけじゅん:下から上に徐々に幹が細くなり、大木感が出ている)、枝配り(えだくばり:枝が交互に出て奥行きもあり、立体感がある)、葉性(はしょう:小さく、盆栽全体が大木に見えるようなものが良い)といった数々の評価点をクリアする必要があります。

その2)樹齢が長い

これは先の授業でもやりましたが、正確な樹齢は分からないため、「推定樹齢」としてカウントされています。こちらの花梨は、推定樹齢150年だそうです。人類より長生きですね。戦争も生き延びて代々受け継がれてきたというだけでも貴重です。大事に日々管理されてきた方々の努力の積み重ねがあってこそです。そもそも花梨の寿命って何年くらいなんでしょう?自然界の樹木も何百年と生きられるものはあまりないでしょう。神社仏閣だと御神木のような古くて大きな木を見かけますね。普通はそのように大きくなってしまう樹木を、盆器の中で100年も育て続けることがいかに凄いことかと改めて驚きます。

その3)所蔵歴が良い

こういう基準もあるのですね。。となると、私の盆栽はきっと100年後くらいに「貴重盆栽」に登録されるでしょう。ふふふ。という妄想はさておき、こちらの第1号の来歴を聞いて思わずははーっ!と頭を下げてしまいそうです。まず、戦前にさかのぼります。根津嘉一郎氏(根津美術館の設立者)→佐藤栄作氏(元首相)→岸信介氏(元首相、安倍首相の祖父、日本盆栽協会初代会長)と流れてきて、現在は大宮盆栽美術館の所蔵です。文句のつけようがございません。ううむ、そうそう簡単には貴重登録されないものなのですね。

 

さて、もう一度、この貴重盆栽第1号の花梨を、下から見上げるようにじっくり見てみましょう。

f:id:katsuo_24:20180621101422j:plain推定樹齢150年、どっしりと大木感が出て風格文句なしですね。

 

この後、展示室に飾られていた貴重盆栽を一つずつ丁寧に田口学芸員が解説いただきながら鑑賞しました。展示室の説明や盆器や添えの説明など、貴重なこぼれ話が盛りだくさんです。覚えきれなくてもなんだかすごい感が感じられます。はは、私のような小市民はそんなもんでいいでしょう。

貴重盆栽にはブーゲンビリアの盆栽というような変わったものもあります。今後、貴重盆栽というものを見かけたら、上記2つのポイントは見た目でなんとなく分かっても3つ目の所蔵歴は一見して分からないから難しそうです。

現在、全国で1215点の貴重盆栽があるそうです。中には残念ながら枯れてしまったものもあるそうですが、見かけたらお話し伺ってみたいですね。

【貴重盆栽だけじゃない】

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こちらは、お庭に飾られている真柏で「武甲(ぶこう)」という銘がついた盆栽です。これも文句ない見事な作品で、撮影可能エリアに展示されている時はラッキーですね。良いものをたくさん見る。これで私の鑑賞眼も少しずつ養われていくのであーる。

 

【おまけ】

盆栽美術館ではロビーや展示室、庭園だけでなく、ちょっとしたところにも盆栽が飾られています。男性用御手洗い前の飾り棚は、ひそかにチェックポイントです。

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この日の盆栽は、高さ20cmくらいの夏草の寄せ植えでした。照明もあるので、立派な飾りに見えます。展示室の盆栽は大品が多くて圧巻ですが、この場所では小品や草ものが飾られているので、ほっこりしますね。

中級、実技シリーズ <エピソード2 ~師匠の決断~>

【衝撃の大きな決断】

さて、再度デモンストレーションです。さて、原師匠、お次の技は。なんと!!左側の太い枝を切り落としてしまうという衝撃波!!(すみません。ビビリ素人にはこんなに立派な太い枝を切り落とすという発想自体が生まれてきません)しかし、原師匠はこの樹の将来の姿をイメージした上で、「この枝は不要」と判断し、切り落としてしまいました。ひょえ~! 

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原師匠が、デモンストレーションで真柏のかなり太めの枝をバッサリ切っても、皆真剣にその手元も見ているだけです。「おおーっ!」という初級コースで見られた驚きの声が今回は聞こえません。人間、一度見たものは慣れてしまうのですね。可愛くないというか、学習したというのか、免疫恐るべし。。

しかし、根元から全部切り落とすのではなく、少しだけ枝元を残しておきます。なぜ??それは、残した部分でジンを作るのです。さすが師匠!そんな発想自体が素人には出てきません。脳みその皺を刻んでまたお利口になりました。

 ちなみに、ジンを作るのは一年中どの時期でもできるそうですが、冬は樹皮が固くなっているので剥きにくいとのこと。成長している春から秋くらいが樹皮を剥きやすいようです。必要以上に樹皮が剥けてしまわないよう、予めぐるりと浅く切り込みを入れておきます。

 【真柏トリマー?】

柏の葉の整え方が私は分からずに悩んでいたのですが、今回の原師匠のデモでスッキリしました。

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写真のように親指と人差し指で挟むように葉先を握り、そこから飛び出た葉をつまんで取っていくのです。おおー!これは分かりやすい!師匠が「美容師さんが髪の毛をカットするときに指先で挟んで飛び出たところをカットするようなもの」と表現されたことで腹落ちしました。これなら私でも楽しく床屋さんごっこできそうです。

▽こちらが、原師匠がデモで手掛けた真柏です。見違えるくらいスッキリして盆栽らしくなりました。 角度もポイントですね。

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【師匠のお手本でおさらい】 

おさらいのために、原師匠のデモのスナップを並べてみます。時系列で左上→右上→2段目左→右→3段目左→右という写真の流れになっています。

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左上の最初の素材が右下の盆栽と同じ樹だとは思えません。原師匠にはこの完成形が手入れする前から見えているのでしょう。

一方、私の真柏ちゃんは、まだまだ悩みの多いお年頃なので、中途半端です。都会人にあこがれる地方出身者のように、ゆっくりでも少しずつ垢抜けていきたいものです。師匠のお手本の後に載せるのは恥ずかしいのですが、自身の成長記録のために私が担当する真柏ちゃんのビフォーアフター載せておきます。

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 △Before               △After

 

【盆栽には休息を、自分には宿題を】

本日の作業後は、培養所で預かってくださいます。いっぱい剪定した後なので、お水もたっぷりあげて樹を休ませます。しばらくお世話になりますm(_ _)m

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今回、宿題が出されました。次回の講義までに自分の真柏のスケッチを描いて樹形構想を練るというものです。まじですかー!と怯みそうになりますが、これも自分の成長のためなのでがんばりまーす。(夏休みの宿題のようにきっとギリギリまでやらない派)

 

 【おまけ:もみじの葉刈後の処理】

培養所にちょうど今期の初級コースの皆様が扱ったもみじが置いてあり、もみじの葉刈り後の新芽の処理方法を原師匠が教えてくださいました。葉を小さくするための葉刈り後に新芽がドバっと同じ枝先から吹き出てくる場合、勢いのある新芽も摘んだ方が良いとのことです。

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もみじは柔らかな新緑や紅葉を楽しむものだと私のような素人は考えがちですが、原師匠曰く「冬の枝の美しさを追求するもの」だそうです。先日の芙蓉園の竹山さんの作品を思い出しました。そっか、、あの息をのむ美しさは、細かな枝の作り方から生まれるのですね。もみじはすぐ伸びてしまうので、バランスよく細かな枝を作るのは難しそうですねー。奥が深いです。。

 

中級、実技シリーズ <エピソード1 ~運命の出会い~>

いよいよ、中級コースの実技が始まりました。一年を通じて同じ素材を用いて指導を受けながら、その時期に適した手入れ学んでいきます。実技のエピソードとして記録していきたいと思っています。(ちょっとアメリカのドラマみたいなタイトルで盛ってますが)

【準備万端】

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ちょっと早めに着き教室に入ると、講師陣がミーティングをされていました。本日の実技講座の進行方法や注意点などお話しされていらっしゃるのでしょう。一方で机の上には一人ずつ実習用の真柏(しんぱく)の苗木と道具が早くも準備されています。

▽各自の席に用意されているお道具セットとレジュメ

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本当に至れり尽くせりで準備してくださっているので、自宅で自主練するときにアカデミーの準備の有難さがよーくわかります。本日もよろしくお願いします!

 【パートナー選び】

席は先着順で好きなところに座ることになっていたので、自分のパートナーとなる樹を選びます。ボサボサ状態の外観で苗木の良し悪しがそんなに分かるわけではないものの、アカデミー初級を終えて展示会でも良い盆栽を少しは見てきたので、ここは選択眼が問われるところとばかり、鑑定団になったつもりで選びます。この樹と今後1年間実技で絡み、その後もお世話することになります。ゆっくり素材と対話する時間はないので、一目惚れで選びました。さて、運命はいかに? 

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受講生の皆様もそれぞれ苗を選び、熱心に色んな角度から眺めて早くも正面を検討しているようでした。さすが中級、指導前から皆様積極的に素材と向き合っています。おっと、まずは手入れする前の姿を撮っておかなくちゃね。

 【本日のメニュー】

中級コースも、お馴染みの原師匠(インストラクターの先生です)の講義で安心です。今日のキーワードの板書と樹形作りの見本もご用意くださっており、分かりやすいです。中級コースでは真柏を使った実習で学んでいくようです。本日は樹形作り三要素、①切る②曲げる③傾ける、の中の「切る」作業で、「剪定と正面を決める」をメインとして進めていきます。

f:id:katsuo_24:20180609064412j:plain素材は「真柏(しんぱく)」です。真柏はヒノキ科で別名ミヤマビャクシンと呼ばれ、北は北海道、南は屋久島まで日本全域に広く生えているそうですが、盆栽で良く知られているメジャーな真柏といえば糸魚川真柏(いといがわしんぱく)で、緑の細かな葉性(はしょう)が特徴です。五葉松と違って、手入れで細かなことは気にしなくていいようです。ズボラな私向きです。

【デモンストレーション、まずは輪郭づくりから】

初級でやった剪定方法をレジュメで復習しながらさっと解説いただき、早々にデモンストレーションです。百聞は一見に如かずとはこのこと。やはりライブで手入れ方法を間近に見られるというのは、何よりも参考になります。

まずは、徒長枝(とちょうえだ)と呼ばれる、飛び出た枝や基本的な余分な枝を落としていきます。大まかに切っていくとある程度樹の輪郭が見えてくるため、正面も決めやすくなります。

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真柏の剪定は初めてなので、初級コースで扱った五葉松と違う鋏の入れ方を教えていただきました。真柏は鱗片状に新芽が出るため、斜めに鋏を入れる必要があるとこのと。

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真横に鋏を入れると切り口から枯れてしまうことがあるようです。これは覚えておきたいポイントです。

  【細部の処理】

徒長枝を落とした次は、忌み枝(いみえだ)と呼ばれる、不要な細かな枝を切っていきます。閂枝(かんぬきえだ)、車枝(くるまえだ)、脇枝(わきえだ)、下り枝(さがりえだ)といったごちゃごちゃに見えている原因の細い枝を切り、スッキリと整えていきます。細かな枝を整理しつつ、正面を意識して幹や枝ぶりが見えるように小枝の剪定を行っていきます。もうこれだけでも盆栽っぽくなっています。なんたって早い!そして解説しながら受講生側に手元を見せながらって。難しいだろうなぁ。。

▽上記デモで原師匠が徒長枝や忌み枝を処理した段階 

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原師匠のデモンストレーションの後で、早速各自の素材のお手入れです。皆様、真剣に自分の真柏と向き合っています。正面はどこにするか、角度はどのようにつけるか、どの枝を残すか、、インストラクターの方々に相談しながら作業を進めます。自分のやり方でいいのか、この枝を切っていいのかと、やっぱり相談したくなるのでインストラクターの方々のサポートが心強いです。

f:id:katsuo_24:20180610070524j:plain初級コースでは「切る」だけで精一杯でした。まだ「切る」のも自信が持てないので、恐る恐るという感じですが、それでも実際にいくつか手を入れているとだんだん「この枝要らないな」と見えてくるようになった気がします。やみくもに切っていたときと、考えながら切るという違いが少しだけ成長した気がします。なんてね。

【迷ったら切らない!】

皆が作業に没頭していると、原師匠が「迷ったら切らないでください」と仰いました。これ、重要です!原師匠がてきぱきと見事な手さばきであっという間に次々と枝や葉を剪定していく姿を見ていると、つい自分が上手くなったような錯覚に陥ってしまい、自分もチョキチョキ切ってしまいそうになります。当たり前ですが、何十年も盆栽歴がある師匠と1年しか盆栽触っていない自分が同じようにできるはずがないのです。ここで、我に返って、焦らずに将来の盆栽の姿をイメージしながら、一つ一つの作業をやっていきたいところです。

                           >>>エピソード2へ続く

 

【おまけ:梅花の見分け方】

講義の途中で、原師匠が「梅の花が咲くかどうかの見分け方」を教えてくださいました。これは見ただけでは分かりにくいので、実際に見本を各テーブルに回して触らせてくださったのですが、葉を触った感触がザラザラしたしたものは花が咲かず、ツルツルしたものは花が咲くそうです。同じ樹でもザラザラとツルツルがある場合もあるのだと。メモメモ。

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△この見本では、左側の葉がザラザラ。手が触っている右側の葉がツルツルです。

テキストには載っていませんが、時間内に少しでも受講生に生きた盆栽の知識を授けてくださることにも感謝ですね。