さて、1億円の盆栽はどれでしょう?

東京にあるメジャーな盆栽園といえば、ここ、春花園さんに今回はお邪魔しました。盆栽園というのは敷地面積を必要とするため、なかなか都心部ではお目にかかりませんが、東京の江戸川区に著名な小林國雄氏の盆栽園がございます。

 【各国の国旗でお出迎え】

f:id:katsuo_24:20170905100626j:plain

都営新宿線瑞江駅から路線バスでの旅。こんな機会でもないとなかなか選ばないルートなので行くだけでも新鮮です。そしてバス停から徒歩約2分。各国の国旗がひときわ目立つ壁が。かなり派手なお出迎えです。

この日は中国人のお客様がいらしていたようで、日本国旗と中国国旗が入口に飾られていました。国際交流に一躍買っていますね。(ちなみにこちらの盆栽園は美樹館として入場料が必要です。)

 

【1億円って。。】

何も事前勉強せずに伺ったのですが、友人たちと園内散策していると、盆栽園をご案内されていらっしゃる方が「これがテレビで1億円として紹介されたものですよ」とサラッとおっしゃいました。

f:id:katsuo_24:20170905100841j:plain

一同、あ然です。(こ、これが、一流芸能人になれないってことか。。)

「こっちのも1億円ね」と紹介されたのがこちら。樹齢も優に500年を超えているようです。

f:id:katsuo_24:20170905101103j:plain

その堂々とした姿は一般の盆栽という机に乗るようなサイズのイメージよりもかなり大きく、ほぼ樹木です。(伸ばしている枝は、その部分の枝の勢いをつけるために伸ばしているとのことです)

 「こっちはお買い得で、3,000万円ですよ」

f:id:katsuo_24:20170905101229j:plain

お買い得って。。もう、感覚がおかしくなります。言葉も出ません。とにかく「へぇー」の連発で、バカ丸出しです。もちろん、他にも多くの素晴らしい盆栽たちが数えきれないほど展示されています。

 どうやら見学だけの私たちと違い、中国人のお客様は、丁寧に盆栽の説明を受け、ご購入をお考えのご様子。羨ましいです。

 

【日本建築の美術館にうっとり】

 お庭の立派な盆栽たちの奥に日本建築の建物がとても自然に配置されており、自然と足が向かいます。その縁側や軒先の空間が私たちをゆったりといざないます。そこには、デジタルではないアナログの空気が流れていました。

f:id:katsuo_24:20170905101849j:plain

美術館の中に入ると、まるで武家屋敷に入ったように、凛と背筋が伸びるようでいて、懐かしいような不思議に落ち着く空間でした。

f:id:katsuo_24:20170905101932j:plain

床の間飾りも盆栽美術館の展示のような正統派の飾り方です。都内の個人の盆栽園でここまでの贅沢な空間を演出できるってすごいです。

f:id:katsuo_24:20170905102012j:plain

そろそろ休憩したいなーと思っていた矢先に、美術館の方が離れでお茶を出してくださいました。ナイスおもてなしです!

 写真だけでなく装丁も美しい小林先生の書籍やイギリス国籍のお弟子さんの見事な英語版盆栽手入れ解説本などもご紹介いただき、お茶を頂きながらしばし休憩。

さらに、一人ずつに小さなもみじの苗もお土産にくださいました。小さくてか弱そうなもみじの苗、無事に育てられるかちょっと不安ですが、お気遣いが嬉しいですね。

 

【ラッキー!小林國雄氏と遭遇!】

f:id:katsuo_24:20170905102251j:plain

私たちが園内の2階部分の盆栽展示兼育成場を拝見していると、園内でザワザワと人が集まりだし、国旗が見えます。ん?先ほどのお客様のご成約でしょうか?おめでとうございます!お?あそこに見える白いシャツは、、もしや小林先生では?と近寄ってみたら、小林先生と中国人のお客様方が記念撮影をされていらっしゃいました。

これは便乗するしかない!と勢いに任せて声をかけ、小林先生と写真撮っていただきました。ちょうど迎賓館からお戻りになられたところでお忙しいようでしたが、写真撮影もご快諾いただき、教室のご案内もしてくださいました。

f:id:katsuo_24:20170905102431j:plain

門下生たちの氏名が木の札でかかっているのも道場っぽいですね。右下の筋肉隆々の逞しい男性の写真は小林先生の若かりし頃のお写真だそうです。現代のもやしっ子たちと大違いです(笑)。

 

【きちんとご供養も】 

f:id:katsuo_24:20170905102607j:plain

腕の良い盆栽師でも台風や年月の経過、病害虫で盆栽が枯れてしまうことがあるのでしょう。自然相手なので永遠はありません。それをきちんと供養塔を建てて供養されているところは、ご立派だと思いました。とても私の自宅に供養塔は建てられませんが、もし枯れてしまったら、感謝と哀悼の気持ちをもって丁寧に供養しようと思いました。こうした点も見習いたいものです。