初級コースで雑木盆栽植え替えにトライ!<前編>

空に霞がかかり、春を間近に感じる時期です。ご遠慮したい花粉もたくさん降り注いでいます。今回、雑木盆栽の植え替え実習が行われるという盆栽アカデミーの初級コースにお邪魔しました。受講生にはとても楽しみな実習の回です。

f:id:katsuo_24:20180308084924j:plain

【本日の素材は河津桜

いいですね~、桜。本日の素材は河津桜(かわづざくら)とのことで、受講生の机の上にピンク色に蕾を膨らませた桜の鉢が並んでいます。もうそれだけでワクワクします。伊豆の河津町は他の桜より一足早く並木道にずらりと咲く観光名所ですね。地に生えている大きな樹を見るのも勉強になりそうです。昨年私が受講した初級コースの雑木盆栽の樹種は石榴(ざくろ)でしたが、時期よって素材が異なってくるのでしょう。樹の種類が異なると楽しみが広がります。

▽盆栽アカデミーで丁寧にご用意いただくテキストと道具、素材の数々。ありがたや!

f:id:katsuo_24:20180308085920j:plain

桜も梅もバラ科ということは恥ずかしながら最近知ったのですが、桜だけでもとても種類が多いようです。ソメイヨシノはお花見で有名ですが、1週間ほどで花が散ってしまいます。そこがまたはかなくて美しいのですが、盆栽となると花の咲く時期が長い方が家の中で楽しめる期間も長くなり、盆栽としてじっくり愉しめるということになりそうです。

 【まずは講義から】

前回、五葉松の手入れをされた皆さん、さすがに緊張していない様子ですが、やはり実際の素材を目の前にされるとソワソワしている様子が伝わってきます。自分が手入れするとなると、どのように進めたらよいのか、インストラクターの先生のご指導が頼りです。

f:id:katsuo_24:20180308091026j:plain

思い出しましょう。「松は松らしく」「桜は桜らしく」です。自然の中で大地に根を張り、幹や枝を伸ばしていく姿を目の前の盆栽の将来の姿に投影させるのです。これ、頭で理解したつもりでも、イマイチ初心者には難しいのですが、この一年、良い盆栽を鑑賞したり、アカデミーで扱った素材を日々見ていたら、なんとなく見えてきたように感じます。なんとなく、、なので、全く自信はありませんが。こればかりは自分で盆栽を管理しないと分からない点だと思います。私より賢いペッパー君でも無理でしょうね~。

そして、いよいよ実技です。待ってました!まずは雑草取りから。皆さん、前回の五葉松の手入れで経験済みなので、ここはサクサク進みます。

  【デモンストレーションのお手本】

さて、本日のメイン、実技のデモンストレーションです。まずは一番大切な正面を決めるところからです。立ち上がりから幹模様、枝配りなどを考えて正面を決めます。 正面を決めたら、剪定して形を整えます。頭をどこにするか、どの枝を残すのか、、といった初心者にはもうどこから手を付けたらよいのかお手上げになってしまう場面です。

f:id:katsuo_24:20180308095504j:plain

【大胆なカットに一同騒然】

原先生がまず上に伸びている枝をバッサリ切り落とすと、会場内から「おおーっ」というどよめきが起ります。ですよねー。もったいない!と思うのが人情ってもんです。しかし、原先生曰く、これが鉢植えなのか盆栽に仕立てるのかの違いだと。なるほど。盆栽は手で持てるくらいのサイズに全体を収めるところもポイントです。(盆美で展示されているような大きな盆栽は、とても私たち一般ピーポーの家には置けません)

f:id:katsuo_24:20180308095634j:plain

△思い切りの良さに「おおー!」っとどよめきの声が

f:id:katsuo_24:20180308101826j:plain

 △切り口を癒合剤(カットパスター)で保護。切った枝は家に持ち帰って赤玉土に挿し木してみましょう!もしかしたら根がでるかも?

 【一心不乱に作業中】

さて、先生のデモンストレーションが終わると、皆さん自分の盆栽の正面を決めるところからです。各テーブルについて見てくださるインストラクターの先生に相談しながら、進めます。

次に剪定開始です。限られた時間の中で行うため、皆集中して作業を進めます。どうしても不安は募るので、ついインストラクター先生待ちになっちゃいますね。インストラクターの先生方は大忙しです。切るかどうか悩む枝は、今切らなくてもいずれ将来切ることもできるため、今は残しておくという判断もアリのようです。つい今全部仕上げたくなっちゃいますが、急ぐこともないのですね。

f:id:katsuo_24:20180308101637j:plain

さて、悩みながらも選定を終えた皆様、次は植え替えに移ります。まだ作業は続くのですが、私の時間がタイムアップになってしまいました。後編はまた改めてお届けしますので、よろしくお付き合いくださいませm(_ _)m

 

【おまけ】 

f:id:katsuo_24:20180308102523j:plain

とても見たかった芙蓉園の竹山浩さんの展覧会に行くことができました!(盆栽美術館で開催されているのでアカデミーの方々はちょうど見られてラッキーですね)

 40年前と現在の姿の写真展示など、盆栽が生きた芸術だということを本当に感じる素晴らしい作品ばかりです。※3/14まで