番外編:1600年代のミニチュアランド ~水前寺成趣園~

日本庭園って、池があって、石があって、松が生えてて、大体どこもそんな感じ…くらいにしか思っていたのは、私だけじゃないはず。。

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しかし、盆栽アカデミー中級コースでは、短時間ではあるものの、日本庭園史を教えていただきました。庭園が造られた時代背景を各地の庭園を時系列で並べ、その特徴を教えていただいたおかげで、おおまかな日本庭園の分類がちょこっと頭の片隅に残っているだけで、見方が変わるものです。

 機会があれば各地の日本庭園に行ってみたいなぁと思っていましたが、ちょうど熊本市に行ったので、これは!と思い、水前寺公園(正式名:水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん))に足を延ばしました。

桃山時代のミニチュアランド】

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水前寺公園は桃山式の回遊式庭園の代表的な庭園でございます。桃山文化というのは、秀吉様の頃ですね。1600年代です。回遊式庭園というのは、人工的に自然の風景を庭園の中に造り、人がその中を歩いて巡ると、見える景色が様々に変わり、あたかも実際にその場所に行ったかのように感じることができるという、現代のミニチュアランドのようなイメージかもしれません。

水前寺公園は、公園正面入口からまっすぐ進むと、どどーんと池が広がり、遠くに富士山を模した小山が配置されているのが大きな特徴です。

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池の中の岩の上にも石付き盆栽のように植栽されています。島に見えますね。 

【モデルは浮世絵?】

庭園内の橋を渡って富士山に近づくと、なんだか浮世絵の富士山のようです。

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私の勝手な推測ですが、庭園が造られたのは1600年代ですから当時は写真も無いでしょう。回遊式庭園で富士山をイメージして庭をデザインするために、浮世絵を参考にしたのではないでしょうか。。得意の妄想が広がります。

 【清らかな湧き水】

そして、こちらの池の水は、阿蘇山からの湧き水です。

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2016年の熊本地震で一時水が枯れてしまったそうですが、復活したようです。良かった!それはそれは吸い込まれそうに透明な水で、鯉たちも色鮮やかに泳いでいました。

富士山を通り過ぎた頃、松の手入れをしていた方がいらっしゃいました。ちょうど松も芽がぐんと伸びる季節です。

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庭木の場合も「芽切り」って言うのでしょうか?私もボサボサの我が家の盆栽ちゃんたちのお手入れしてあげなくちゃ、と焦りを覚えます。。

 

【おまけ】

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水前寺公園で珍しいアルビノの大きなスッポンを見かけました。紅葉の若葉と澄んだ水で、なんだか花札の絵になりそうな景色でした~