ごめんください~。盆栽園実習。<後編>

【大きな作品の植替え】

お昼休みを挟み、午後は村田さんのご指導の下、大きな作品の植替え作業を3人で取り組みます。よろしくお願いいたします~!

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まず、手入れする盆栽の雑草をピンセットで取り除きます。雑草取りなら余裕もってできます(笑)

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続いて、鉢底の盆栽や底網を固定しているワイヤーを切ります。大きいので、持ち上げる役と鉢裏の作業をする役を分担します。次に大きな鎌のような道具で鉢の縁に沿ってぐるりと切り込みを入れます。長年鉢の中で盆栽が成長しているので、ガチガチに鉢と土や根がくっついてしまっているのです。

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プリンが容器から綺麗に出ないイメージでしょうか。ザクザクと切り込みを一周入れ、ぐっと持ち上げるとスッポリ抜けました。

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今回は、同じ鉢に再度植えこむとのこと。鉢底の網を再度セットし、薄く新しい土を入れます。(▽鉢底網は針金でこの後固定しました)

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抜き出した盆栽は、周囲と底の根を切り、ひと回り小さくします。これをやらなければ同じ大きさの盆栽鉢で新しい根が出てくる余裕がなくなってしまいます。

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△底の根を薄く切り詰める。

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【またしても新技登場!】

大きな盆栽を薄い鉢に固定する方法ですが、これも盆栽アカデミーでは習っていない技です。ます、竹を鉈(なた)で削り、竹串を作成。次に盆栽の根の左右から竹串を木づちで打ち込み、盆栽鉢に入るすれすれの長さに切り落とします。

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その後、盆栽鉢に盆栽を入れ、鉢底から出した針金を竹串に結わえ、盆栽を間接的に鉢に固定するという仕組みです。(すみません、この間、作業に一生懸命で写真が撮れませんでした)この固定方法ならば、薄い鉢でも表面に針金が出ずに見た目も美しく盆栽が鉢に固定されるというわけですね。ホエー!

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最後に隙間に新しい土を入れて整えて、お水をたっぷりあげます。古い土の部分と新しい土の部分で色が違うので、根を切った大きさが分かります。

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園主の村田さん、優しい水流にするために、ホースの先に付けるシャワーヘッドのような部分もこだわっていらっしゃいます。実際にその水を手に当ててみると、なんとも柔らかく、ふわふわとした水流で自分が全身に浴びたくなるような気持ちよさです。

【お邪魔しました!】

そんなこんなで、あっという間に実習の時間も過ぎて終了です。ワタクシ、ちゃっかり道具のお手入れも教えて頂き、すっかりお世話になってしまいました。

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素人は忘れがちですが、道具がいつでも使いやすく整えられているのもプロですね。そのうえで、それぞれの盆栽に季節ごとの作業を何百鉢という単位で毎日毎日行っていらっしゃるのです。。一朝一夕にできるものではありません。頭が下がります。本日は大変お世話になりました!お仕事の手伝いどころか、教えていただくことばかりでお手間とらせてすみませんでした。このご恩は成長した姿でお返しいたします!(たぶん)

【みんなどうしてる?】

さて、他の盆栽園に行った方々はどうだったのでしょうか?有志が実習後に集まり、反省会と称し、居酒屋で和気あいあいと○○園ではこんな高価な盆栽を触らせてもらっただの、○○園では席飾りについてとても良い話が聞けただの、緊張もほぐれて楽しいひとときです。それぞれの園の特色があって面白い意見交換が出来ました。参加した皆が満足した表情でした~。

 

【おまけ】

この暑さで人間はもとより、盆栽ちゃんたちもぐったりお疲れのご様子ですが、ただいま大宮盆栽美術館では、涼しい室内で涼しげな盆石の企画展示中です。残り1回、8/17も体験会があるようです。ワタクシも初チャレンジ致しましたが、ただの石や砂で景色が描けるのが面白いです!

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先生に手取り足取りアドバイスいただきながら、安芸の宮島を描いてみました~(これも先取りしすぎの秋ですね)