盆器作りの旅 ~益子焼チャレンジ<前編>~

盆栽を始めると、盆器(ぼんき:盆栽を植える鉢)も気になるものです。焼き物の世界も沼が深そうなので、あまりハマらないように、、と自制をしながらも、盆栽鉢を自分でどうしても作ってみたかったので、盆友にリクエストしてツアーを組んでもらいました。f:id:katsuo_24:20191004124925j:plain

(2018年6月のお話しです。一度書いていたのですが、アップが今頃になってしまったのでリバイスしました。ごめんなさい。てへ。)

【栃木県益子町へ】

有難いことに、益子焼の達人がガイドとして同行してくださったので、1日の行程が観光体験ツアーのように見事に計画されており、私たちは楽ちんちんの美味しいとこどりという恵まれたツアーになりました。

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やはりその道に詳しい方が一人いると、見どころやポイントがおさえられ、素人だけで行くよりもずっと知識の幅が広がります。

【これが登り窯!】

まず向かったのが益子陶芸美術館。このエリアは歴史文化財、美術館、工房が集中して配置されているため、益子を訪れたらまず一番に行くのがオススメとのこと。

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門をくぐって園内に入ると、煤(すす)で黒くなった登り窯がでーんと現れました。その名の通り、傾斜地に作られ、熱が登りながら回る形状が特徴の窯です。

正面から見ると巨大な芋虫のようなユニークな形状です。目に見えるような部分から中の様子を見るそうですが、火がバンバン炊かれているときは、ここから炎が噴き出すようです。

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火入れというのは滅多に行われないようで、2年に一度くらい火入れされる際には、町を挙げてのイベントになるようです。すごい迫力なんでしょうねー。 

【大名屋敷】

登り窯の脇には、地元の方々が大切に保存されている大名屋敷(旧濱田庄司邸)が無料公開されています。訪問時は、ちょうど藁葺(わらぶき)屋根をふき替えたばかりとのことで、真新しい見事な分厚い藁葺きで気持ちよさそうでした。

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この縁側でお茶が飲めたらさぞ気持ちよかろう。。と思う一方、ボランティアの方々が毎日お掃除にいらしていると伺い、頭が下がります。どこでも文化財を保存するには地域住民やボランティアの方々の協力が必要です。多くの人々が訪れることが励みになりますね。

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益子焼の工程】

登り窯エリアから美術館へと歩いて行く途中、陶磁器の制作工程が紹介されています。

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フムフム、陶器と磁器ってこんな感じで作り方が違うのね~。同じような工程でも、焼く温度が違ったり。器と言っても、色々な作り方があることが、一目瞭然。このチャート図分かりやすいです。釉薬の見本もありますが、色は自然な落ち着いた風合いが益子焼の特徴です。

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さて、これから自分で作る盆栽鉢は、どんな色で仕上げようかなぁとイメージを膨らませます。あ、ちなみに、盆栽鉢としては、水はけや通気性が良い方が盆栽に適しているので、磁器よりも陶器や泥鉢が良いようです。

【美術館は古くてモダン】

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益子焼というと、地味で華やかさはあまり無いイメージですが、美術館に入ると事務所の外にいきなりドドーンと忍者がスッポリ隠れられる大きさの見事な壺。あっぱれです。

館内は撮影禁止なので写真はありませんが、古い作品なのに、絵付けや形が幾何学的なモダンなものも多く、現代のオシャレな古民家風カフェで使ったら映えそうだな~と思いながら見学しました。さすがに鑑定眼が無いことは自覚しており、展示してあるだけで「へぇ~」となってしまう凡人です。

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美術館脇に展示してあった、益子焼で作られた大太鼓。これって、本当に使えるのか気になっていましたが、演奏された写真もありました。思い切り叩いたら割れそうで怖い。。

さ、午後は陶芸教室へ!(後半へつづく)