待ちきれず一斉に春 ~梅林ツアー~

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世の中、コロナウイルス感染拡大防止であらゆるイベントが中止になっていますが、自然のイベントは止まらず、季節は着実に春に向かっております。中止になる一足前に大宮第二公園の梅林ツアーに参加したので、まとめておきます。入場規制がなければ、まだ日本各地で梅も楽しめるでしょう。

 【大宮第二公園の梅林ツアー】

解説付きの梅林ツアーがあると盆友に誘われ、それほど期待せずに参加したのですが、結果から言って、大満足でした! ※現在は講義もツアーも中止です。

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まず、講座室で森林インストラクター・二宮靖男氏がスライドで、梅・桃・桜の見分け方や梅の種類の特徴や鑑賞方法を解説してくださいました。俳句の季語では、「探梅(たんばい)」=早咲き、「賞梅」=中咲き、「送梅」=遅咲き、という区別になるという解説も。梅の種類は、ボリュームありすぎで私の頭はオーバーフローでしたが、その後、皆で園内を散策なので、現物見ながらの方が分かりやすいですね。では、二宮氏と一緒にフィールドへゴー!

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【一粒で3度おいしい】

公園ガイドの方によると、梅は種類によって咲く時期が異なるため、全ての品種を見たいと思ったら、毎月来ないと見られないが、今年は暖冬の影響で早咲き、中咲き、遅咲き全て一斉に開花していて1回で3回分の梅の鑑賞ができる珍しい年とのことでした。

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では、ざっくりの見分けで色別に写真撮ったものだけを以下ご紹介。樹に写真付きの看板が付いているので、現地では花の見分けや名前がすぐにわかります。

【白梅いろいろ】

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【梅に「月」という名前】

個人的に白い梅が好みですが、さらに白い梅の中でも枝や萼(ガク)が緑で一重の梅がいいなあと思っております。梅の品種名に「月」が入っているものは、白い梅で、枝も緑のものが多いそうです。花が咲いていない時期でも分かりやすいですね。

【紅梅いろいろ】

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【ピンク色いろいろ】

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【幹の色が!!】

これは驚きでした。二宮氏が見本として予め用意してくださった紅梅と白梅の枝を折ると、それぞれ赤と白というはっきり見分けがつく断面なのです。(良い子は勝手に木を切らないように)

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「へー」という豆知識を得て、いつか披露してポイント稼ごうと下心が芽生えます。

【気の毒な梅】

茶筅梅(ちゃせんばい)という品種です。花弁が小さく、おしべが茶筅のように発達しているため、この名称となったようです。f:id:katsuo_24:20200301131653j:plain

こちら、この状態で満開なのですが、一見枯れているように見えてしまうため、残念ながら園内でも足を止める人がおらず、素通りされてしまうようです。見つけたらラッキーですね。

【贅沢な1本で2色】

一本の梅の木で紅白2色の花の色が楽しめる種類もあります。「春日野」という品種が大宮公園では見られます。

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【こぼれ梅】

二宮氏の講義で、花が散るときの表現というお話しもありました。桜は「散る」、椿は「落ちる」、牡丹は「崩れる」、梅は「こぼれる」という表現は、日本語の多様さが表れていますね。そしてこれまた風流なのが、散った梅を水に浮かべて「こぼれ梅」として鑑賞するというお話しも。

…そんな心のゆとりがある大人になりたいものです。

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【おまけ】

現代の著名な盆栽家、山田登美男氏(清香園四代目園主)の盆栽展示が大宮盆栽美術館で開催されていますが、コロナウイルス蔓延防止のため、3月2日から休館となってしまいます。席飾りをした見事な展示がしばらく見られなくなるのは残念ですが、盆栽はずっと生きていますから、盆栽園を訪れれば見られるかもしれません。

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 世の中心がささくれそうなニュースが多いのですが、少しずつ芽が膨らんできている我が家の盆栽たちを眺めて平穏を願います。