盆器作りの旅 ~益子焼チャレンジ<後編>~

益子焼体験】

さて、お待ちかねの益子焼体験です。登り窯を自前で作られた窯元さんですが、東日本震災の時に壊れてしまい修復ができないため、違う窯で焼いているとのこと。若い世代が頑張っています。

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△焼く前の作品群
 盆友に促され、益子町へ行く道中、どんな盆器を作りたいか、簡単なスケッチを描いてイメージを作っておきました。大抵イメージ通りにいかないものですが。友人たちと行くと道中も楽しいのが良いですね。

ささ、まずは先生がお手本を見せて作り方を流れるようにデモンストレーションしてくださいました。あれよあれよという間に手元に作り出される器の数々。

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 その後、各自でろくろを回してイメージを元にチャレンジ!、、が、こちらはやっぱり素人、いざやりだすと、あちこちで「ヘルプミー!」の声が。 まあ、そんなことは先生もお見通しで、皆の作品作りをちゃんとお手伝いしてくださいます。

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なんだかんだ、2時間たっぷり体験させてもらい、出来上がったものの中から、自分が残したいものだけ釉薬の色を選んでチョークでメモし、不要なものは粘土を再利用するためにまとめておきます。ああ、この柔らかい作品を投げつけてぼてっと壊す感覚、、悪ガキがものを壊す背徳感が。。

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作品は、まず乾燥させて素焼きをし、釉薬をかけて本焼きを行うので、ここから2か月くらい待って、窯元から完成品が送られてくるのを待ちます。

 

【いよいよ完成!】

さて、お待ちかねの完成品お披露目会です。友人たちとそれぞれお互いの作品を見るのも楽しいひと時です。完成品は、粘土で作った時より一回り小さくなりますが、元々小振りな鉢を作りたかったのでちょうどよい感じです。

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(鉢底の穴が少し小さかったので、後日友人に穴あけドリルを借りて穴を大きく広げました)

お披露目会の時に、益子焼プロの方の盆器のお裾分けを頂きました。我々素人が作った作品との違いが際立っておりまして、自宅に戻って真っ先に盆栽を植えたのは、やはりこちらの器でした。現金な奴です。

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「鉢映り(はちうつり)がいいねぇ」と自己満足でございます。 自作の鉢たちも、どの苗を植え替えようかな♪と楽しみが広がります。作った後で使って愉しむ。なんとも充実した趣味ではございませんか。

  

【おまけ】

益子焼の工房では、外国人陶芸作家さんが黙々と作品を作り続けていらっしゃいました。限られた日本滞在期間中に少しでも多くの作品を作りたいとのこと。電動ではなく、慣れれば微調整が効くという足踏みろくろを器用に操る姿は、本格的な陶芸作家さんです。

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ヨーロッパでは、磁器が食器として用いられるのが一般的で、陶器は食器用ではなく、道具入れとして使うような粗末なものとされ、あまり関心がなかったようですが、近年ではアジアブームもあり、この素朴感が注目されて欧米でも陶芸作家の方々が生まれ、来日して展示会を開かれているようです。スバラシイ!!

体験教室で満足している我々とは天と地ほどの意識の差がございます。。

 

 

盆器作りの旅 ~益子焼チャレンジ<前編>~

盆栽を始めると、盆器(ぼんき:盆栽を植える鉢)も気になるものです。焼き物の世界も沼が深そうなので、あまりハマらないように、、と自制をしながらも、盆栽鉢を自分でどうしても作ってみたかったので、盆友にリクエストしてツアーを組んでもらいました。f:id:katsuo_24:20191004124925j:plain

(2018年6月のお話しです。一度書いていたのですが、アップが今頃になってしまったのでリバイスしました。ごめんなさい。てへ。)

【栃木県益子町へ】

有難いことに、益子焼の達人がガイドとして同行してくださったので、1日の行程が観光体験ツアーのように見事に計画されており、私たちは楽ちんちんの美味しいとこどりという恵まれたツアーになりました。

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やはりその道に詳しい方が一人いると、見どころやポイントがおさえられ、素人だけで行くよりもずっと知識の幅が広がります。

【これが登り窯!】

まず向かったのが益子陶芸美術館。このエリアは歴史文化財、美術館、工房が集中して配置されているため、益子を訪れたらまず一番に行くのがオススメとのこと。

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門をくぐって園内に入ると、煤(すす)で黒くなった登り窯がでーんと現れました。その名の通り、傾斜地に作られ、熱が登りながら回る形状が特徴の窯です。

正面から見ると巨大な芋虫のようなユニークな形状です。目に見えるような部分から中の様子を見るそうですが、火がバンバン炊かれているときは、ここから炎が噴き出すようです。

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火入れというのは滅多に行われないようで、2年に一度くらい火入れされる際には、町を挙げてのイベントになるようです。すごい迫力なんでしょうねー。 

【大名屋敷】

登り窯の脇には、地元の方々が大切に保存されている大名屋敷(旧濱田庄司邸)が無料公開されています。訪問時は、ちょうど藁葺(わらぶき)屋根をふき替えたばかりとのことで、真新しい見事な分厚い藁葺きで気持ちよさそうでした。

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この縁側でお茶が飲めたらさぞ気持ちよかろう。。と思う一方、ボランティアの方々が毎日お掃除にいらしていると伺い、頭が下がります。どこでも文化財を保存するには地域住民やボランティアの方々の協力が必要です。多くの人々が訪れることが励みになりますね。

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益子焼の工程】

登り窯エリアから美術館へと歩いて行く途中、陶磁器の制作工程が紹介されています。

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フムフム、陶器と磁器ってこんな感じで作り方が違うのね~。同じような工程でも、焼く温度が違ったり。器と言っても、色々な作り方があることが、一目瞭然。このチャート図分かりやすいです。釉薬の見本もありますが、色は自然な落ち着いた風合いが益子焼の特徴です。

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さて、これから自分で作る盆栽鉢は、どんな色で仕上げようかなぁとイメージを膨らませます。あ、ちなみに、盆栽鉢としては、水はけや通気性が良い方が盆栽に適しているので、磁器よりも陶器や泥鉢が良いようです。

【美術館は古くてモダン】

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益子焼というと、地味で華やかさはあまり無いイメージですが、美術館に入ると事務所の外にいきなりドドーンと忍者がスッポリ隠れられる大きさの見事な壺。あっぱれです。

館内は撮影禁止なので写真はありませんが、古い作品なのに、絵付けや形が幾何学的なモダンなものも多く、現代のオシャレな古民家風カフェで使ったら映えそうだな~と思いながら見学しました。さすがに鑑定眼が無いことは自覚しており、展示してあるだけで「へぇ~」となってしまう凡人です。

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美術館脇に展示してあった、益子焼で作られた大太鼓。これって、本当に使えるのか気になっていましたが、演奏された写真もありました。思い切り叩いたら割れそうで怖い。。

さ、午後は陶芸教室へ!(後半へつづく)

 

中級、実技シリーズ <エピソード9 ~拝啓 中級の君へ~>

ついに盆栽アカデミー中級コースも最終回です。BGMは「手紙~拝啓 十五の君へ~」を脳内再生。イメージ写真は、珍しく撮影可能エリアに展示されていた「青龍」です。

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さて、中級では、季節ごとに手入れや樹形の造り込みの方法など、初級コースより一歩も二歩も進んだ技術を教えて頂きました。これらの作業をフフーン♪と鼻歌まじりで行える余裕が生まれるのは当分先でしょうが。

【仕上げは真柏の植え替え】

最近では、そろそろ植え替えが必要な盆栽だなぁと、分かるようになってきました。えへへ、少しは学習効果あったじゃないか。そして、ご用意いただいたレジュメを師匠に解説いただくことで、うんうん、そうかと納得できます。▽植え替え時の位置解説

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原師匠のお話で、五葉松は枝を重視する樹種で、真柏は幹を重視する樹種だそうです。さらに、真柏の根は細いので、あまり切りたくないとのこと。こうしたこぼれ話は個人的にチェック。自分の技術ではまだ樹種毎の良さを引き出すことはできないけれど、鑑賞眼を養う上で役立つ情報です。

【そこが聞きたかった】

盆栽管理に関して、受講生たちが提出した質問の回答もインストラクターから頂きました。マンションの高層階ベランダでの盆栽管理方法や季節ごとの水やり、日差し対策など、具体的な解決方法が写真付きで示してくださっているので、とても分かりやすいです。皆、自宅での盆栽培養方法でそれぞれ悩みがあるんですよね。

【植え替え前のチェック】

各自、自宅で水やりして保管してきた教材の真柏を久々に持ち寄りましたが、皆さんの真柏ちゃんたちもそれぞれお元気のようです。植え替え前に正面や植え付け角度の再確認、今後の手入れをインストラクターの方々にアドバイスいただきながら再確認しました。

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【新しい鉢へお引越し】

最終回の真柏植え替えでは、アカデミーでこちらの鉢を1人1鉢ずつご用意くださいました。釉薬の景色が味を出していて、これまで入っていたプラスチックの植木鉢から一気に格上げです。馬子にも衣裳ですねー。作業前からテンション上がります。この鉢と真柏ちゃんを持って、培養所へ移動して作業します。

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【デモンストレーション】

原師匠のデモンストレーションも今回で最後です。続いて各自で作業するため、皆真剣に注意を聞き、師匠の手元をガン見です。

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あ、念のため、この植え替え作業は春(3月16日)に行いました。植え替え作業はこんな暑い夏にやっちゃあいけませんて。

【最後は自分で】

さて、いよいよ最後の実習です。手元にはまたもや道具や土など、ご丁寧に準備をしてくださっています。かたじけない!お陰でスムーズに作業に取り掛かれます。

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植え替え作業は、初級コースから何度目かの作業になるので、皆少しずつ手慣れてきてスピードも幾分早くなったようです。植え替え作業は根が乾かないように手早く行うのが基本です。

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植え替え後は、苔でお化粧して出来上がり!たっぷりお水をあげます。

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まだまだ手入れしないと人前に飾れる姿には遠いですね。。作業の記録ってことで、温かい目で見てやってください。

贈る言葉

植え替え後、講座室に戻って修了式が行われました。各自に修了証が授与され、盆栽アカデミー主催のさいたま市や藤樹園園主の浜野氏からも祝辞をいただきました。そして、初級コースからずっとお世話になったインストラクターの方々からエールを頂きました。

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ああ、これで巣立って良いのだろうか、、と一抹の不安を抱えながらも、いつまでも甘えていられません。盆栽アカデミー様、お世話になりました!!

 

【おまけ】

初級コースの頃から、受講生の少人数でグループの輪ができました。初心者から経験者まで色々な方がおりますが、上下無くやたら緩い盆栽に関する情報がやりとりできるのがありがたい「盆友」です。これからもよろしくお願いしまーす。現アカデミー受講生のお友達もウェルカムです!

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△中級コース最終日の盆美ロビーに飾ってあった修了式にぴったりの「寒桜」は、推定樹齢85年。最後まで季節感が無くてごめんなさい。。

そして、つづく(予定)

ごめんください~。盆栽園実習。<後編>

【大きな作品の植替え】

お昼休みを挟み、午後は村田さんのご指導の下、大きな作品の植替え作業を3人で取り組みます。よろしくお願いいたします~!

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まず、手入れする盆栽の雑草をピンセットで取り除きます。雑草取りなら余裕もってできます(笑)

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続いて、鉢底の盆栽や底網を固定しているワイヤーを切ります。大きいので、持ち上げる役と鉢裏の作業をする役を分担します。次に大きな鎌のような道具で鉢の縁に沿ってぐるりと切り込みを入れます。長年鉢の中で盆栽が成長しているので、ガチガチに鉢と土や根がくっついてしまっているのです。

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プリンが容器から綺麗に出ないイメージでしょうか。ザクザクと切り込みを一周入れ、ぐっと持ち上げるとスッポリ抜けました。

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今回は、同じ鉢に再度植えこむとのこと。鉢底の網を再度セットし、薄く新しい土を入れます。(▽鉢底網は針金でこの後固定しました)

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抜き出した盆栽は、周囲と底の根を切り、ひと回り小さくします。これをやらなければ同じ大きさの盆栽鉢で新しい根が出てくる余裕がなくなってしまいます。

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△底の根を薄く切り詰める。

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【またしても新技登場!】

大きな盆栽を薄い鉢に固定する方法ですが、これも盆栽アカデミーでは習っていない技です。ます、竹を鉈(なた)で削り、竹串を作成。次に盆栽の根の左右から竹串を木づちで打ち込み、盆栽鉢に入るすれすれの長さに切り落とします。

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その後、盆栽鉢に盆栽を入れ、鉢底から出した針金を竹串に結わえ、盆栽を間接的に鉢に固定するという仕組みです。(すみません、この間、作業に一生懸命で写真が撮れませんでした)この固定方法ならば、薄い鉢でも表面に針金が出ずに見た目も美しく盆栽が鉢に固定されるというわけですね。ホエー!

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最後に隙間に新しい土を入れて整えて、お水をたっぷりあげます。古い土の部分と新しい土の部分で色が違うので、根を切った大きさが分かります。

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園主の村田さん、優しい水流にするために、ホースの先に付けるシャワーヘッドのような部分もこだわっていらっしゃいます。実際にその水を手に当ててみると、なんとも柔らかく、ふわふわとした水流で自分が全身に浴びたくなるような気持ちよさです。

【お邪魔しました!】

そんなこんなで、あっという間に実習の時間も過ぎて終了です。ワタクシ、ちゃっかり道具のお手入れも教えて頂き、すっかりお世話になってしまいました。

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素人は忘れがちですが、道具がいつでも使いやすく整えられているのもプロですね。そのうえで、それぞれの盆栽に季節ごとの作業を何百鉢という単位で毎日毎日行っていらっしゃるのです。。一朝一夕にできるものではありません。頭が下がります。本日は大変お世話になりました!お仕事の手伝いどころか、教えていただくことばかりでお手間とらせてすみませんでした。このご恩は成長した姿でお返しいたします!(たぶん)

【みんなどうしてる?】

さて、他の盆栽園に行った方々はどうだったのでしょうか?有志が実習後に集まり、反省会と称し、居酒屋で和気あいあいと○○園ではこんな高価な盆栽を触らせてもらっただの、○○園では席飾りについてとても良い話が聞けただの、緊張もほぐれて楽しいひとときです。それぞれの園の特色があって面白い意見交換が出来ました。参加した皆が満足した表情でした~。

 

【おまけ】

この暑さで人間はもとより、盆栽ちゃんたちもぐったりお疲れのご様子ですが、ただいま大宮盆栽美術館では、涼しい室内で涼しげな盆石の企画展示中です。残り1回、8/17も体験会があるようです。ワタクシも初チャレンジ致しましたが、ただの石や砂で景色が描けるのが面白いです!

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先生に手取り足取りアドバイスいただきながら、安芸の宮島を描いてみました~(これも先取りしすぎの秋ですね)

ごめんください~。盆栽園実習。<前編>

中級コースも残すところあと2回となりました。今回は、大宮の盆栽園6か所に中級コース受講生が分散してお邪魔することになっています。我々は、いくら中級コースの受講生とはいえ、盆栽園のお仕事を本当に手伝えるほどの技量があるわけもなく、ご迷惑をおかけしないようにすることだけで精一杯です。

(※注:実際にお邪魔したのは3月です。季節感ゼロで申し訳ございませんm(_ _)m)

【九霞園さん、お世話になります!】

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ワタクシが割り振られたのは、九霞園(きゅうかえん)という盆栽園です。ふふふ。お邪魔しまーす!と心は弾んでおります。

盆栽アカデミーさん、なんと事前に受講生分の道具を各園に用意してくださっていました。子供のお道具を準備するお母さんみたいな心遣いに泣けてきます。

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これらに加え、九霞園さんでは、手袋や根切り鋏なども人数分ご用意くださっていました。かたじけない。。こうした道具は真似するべし!と、早速帰りにホームセンターで買い求めました。

【園主による講和という導入】

この実習では、実際に販売する商品となる盆栽の手入れをさせていただくという、なんとも緊張するものですが、園主の村田さんの飾らないお人柄がにじみ出た自然な流れで始まりました。

盆栽に向き合う心得というのは、どこまでやりたいかで異なるとのこと。趣味でやるのか、本格的にやっていくのか。そして、一つ一つの作業の意味を考え、一つ一つの作業の精度を高めていくことが求められると。

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深いです。。すみません、、こんなひよっこが、申し訳ないです。。

道具の紹介を交え、アカデミーで習ったことをお話しし、では、実習に移りましょうとなりました。村田さんも良くお考えいただいており、せっかくなので1つだけでなく、時間内でいくつも作る方が身に着くと、できるだけ多く作業をさせていただけるようです。

【プロの早業!】

午前中には、小品の長寿梅(ちょうじゅばい)のポット苗を陶器の鉢に植える作業をさせていただきます。まずはお手本を見せてくださいます。こんなかんじ↓

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我々は、盆栽アカデミーで、底網のセットは針金をメガネの形状にしてセットする方法を教えて頂いたのですが、こちらではU字型でサクサクとセットしていきます。短時間できっちり仕上げることもプロの技です。あれよあれよという間に植え替え完了です。

【新たな技の登場!】

我々は、盆栽アカデミーでは、盆栽鉢に苗を固定する方法として針金で根を固定する方法を学びましたが、今回は、小品ということもあり、麻縄で苗と鉢を固定する方法を教えて頂きました。苗木を販売しているところで見たことがある十文字の巻き方です。

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嬉しいですねー!新たな技を習得した感じです。(習得してませんけど)

結わえた鉢は、たっぷり水が入った鉢の中に入れ、鉢底から水を鉢内に行きわたらせます。どぶ漬けという小さな鉢に水やりする方法で、表面まで十分水に浸ったら取り出し、完成です。

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【同じように行くはずない】

さて、我々もチャレンジです。が、そうそう手早くできません。村田さんからは「最初の1,2点は丁寧に。ネットはパパっと。根をさばく時は注意して。」といったアドバイスをいただきながら、作業していきます。一生懸命やってようやく皆3個ずつ作って時間となりました。なるほど、商売ともなると、効率性も考えなくてはなりませんよね。ああ、無事に商品としてお客様に選んでいただけるものになったでしょうか。。

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ここまでで午前の部終了~。お弁当食べて午後の部は<後半>へつづきます~

お待たせ!盆栽界の革命児、平尾です。

もう、今回は女性受講生が浮足立って大変です。昨今メディアでも有名な平尾成志(ひらおまさし)さんの講義「盆栽の国際事情」です。

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盆栽アカデミーも平尾さんを講師に招聘するところが攻めていていいですねー。伝統も大事にしながら新しいことにチャレンジする、カリキュラムの幅広さがとても魅力です。

【世界の盆栽認知度は侮れない】

平尾さんは、2013年に文化庁文化交流士として世界各国を訪問され、各地で盆栽の普及活動に貢献されています。

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意外に日本人が思う以上に世界での”BONSAI”(私が海外ドラマで聞いた発音は「ボンザイ」と聞こえます)知名度は高く、アートとして高く認識されているように思います。それは、盆栽美術館や盆栽展での海外からの来訪者の割合からもうかがえます。逆に、我々日本人が盆栽の魅力を日本人にさえ十分に伝えられていないことが残念です。

 【各国の特徴】

さすが現地に行かれた生の声は面白いです。上記各国を訪問され、各地の盆栽園や展示会、イベントなどの体験を写真と映像を交えてお話しいただいたのですが、それぞれの特長があります。

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f:id:katsuo_24:20190706174700j:plain正統派からすると眉をひそめそうなスタイルでも、 「このようなスタイルがある」と、否定ではなく淡々と紹介されていました。まあ、絵画の歴史でも、ピカソやらゴッホやら色んな革命児がいますから、何がどう評価されるかは、その時代の流れでしょう。

平尾さんは蔓青園(まんせいえん)という、由緒ある盆栽園で先代の加藤氏に師事し6年間修業され、現在は成勝園(せいしょうえん)の園主としてご活躍です。見た目はイマドキのお兄ちゃんですが、しっかりした技術と経験をお持ちの方です。実力があるというのはどの世界でも通用しますね。

【うかうかしとれん】

イタリアやスペインをはじめ、ヨーロッパでは日本で修行を積んだ盆栽技師もおり、イタリアでは盆栽学校も日本より先に開校しているのです。日本のとある盆栽園の園主の話で、「外国人は日本人より『自国に帰って盆栽で事業を興す』という意識が強いから、奴らは強い」と伺ったことがあります。日本人がフランスの田舎でワイン造りの修行を何年もして日本でワイン事業を興すような決意でしょうね。ううー、私とは気持ちの入れ方が違いすぎる。。

そんな熱量をお持ちの方々が、世界各地で盆栽園を運営し、それぞれ活動されていることに頭が下がります。

【新しいチャレンジ】

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平尾さんは、伝統的な日本の盆栽文化を伝えるだけでなく、アートとして新しいジャンルにチャレンジされています。音楽ライブでの実演など、モダンなパフォーマンスがカッコイイですねー!世界各地で一匹狼みたいに盆栽パフォーマンスを行う姿はまさしくサムライ!Youtubeでいっぱい映像はあるので、平尾ファンはそちらへ。

【これも盆栽?】

各地の盆栽を写真で紹介いただきましたが、「これが盆栽??」と思うようなものもあります。外国文化を自国に取り入れて独自に進化させるのは日本人ばかりではありませんね。その土地の植物で仕立てる方が自然なスタイルのようにも思います。

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そして、美的感覚が違う点が面白いですね。視野を広げることによって自分の好きなものが見えてくることもあります。

【あえて飛び出した平尾氏】

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講義後に質問させていただきました。「どうしたら盆栽文化がもっと普及できるのでしょう?」その質問に、平尾氏は「だから自分は(独立して)外に出た。若い世代がもっと活躍できるようにしなければならない。」と仰っていました。

若い世代、、かなり過ぎてしまっていますが、若い世代を応援することはできますね。自分も楽しみながら応援できたら楽しそうです。

  

【おまけ】

盆美のエントランスに飾られていた「青嵐(せいらん)」という銘がついた推定樹齢120年の黒松です。

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 講義で世界一周をした後で思ったのは、やはり私は日本の盆栽が好きだということです。ドーンとした直幹スタイル、見ているこちらも背筋がスッと伸びます。

 

煎茶文化と盆栽ってどこが共通?

座学がつまらないと思う方、いやいや、視野が広がることによって自分なりの好みがでてくるという体験ができるのですよ。今回、私独自の視点ができました。その点は最後に。

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【盆栽との関連性】

今回は「煎茶文化史」を学びます。何度かこうした座学が入るのが、盆栽アカデミーの大きな特徴です。盆栽だけでなく、周辺知識を学べるというのは、大変良い機会ですね。煎茶文化史というものがあることすら知りませんでした。

煎茶のどこが盆栽と関係するのかなぁと思いましたが、文人たちの「侘び・寂び」の精神が盆栽に通じるようです。

【現在の入れ方は煎茶ではない?】

煎茶文化史の講義をしてくださるのは、入間市博物館学芸員の工藤先生です。歴史が苦手なワタクシですが、見栄を張って最前列に陣取りました。

どの座学も一様に先生方は通常一年間かけてお話しする内容を1時間半という短い時間に凝縮してお話しいただくため、かなり悩まれると思います。

 で、それをさらに部分抽出させていただきますが、現在我々が淹れるお茶は「淹茶」という淹れ方で、「煎茶」というのは、茶葉を煮出していただく飲み方のようです。鎌倉末期の五山文学に見られるとのこと。知らなかったー!

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 さて、ワタクシは静岡出身のため、狭山茶押しの工藤先生には申し訳ありませんが、地元から頂いた緑茶を飲みながら書いております。。先日は熊本で頂いた緑茶があまりにも美味しくて、日本全国の緑茶レベルの高さに驚いたばかりです。産地よりも新茶の瑞々しい美味しさは勝りますね。おっと、話がズレてしまいました。。

茶の湯文化と煎茶文化】

茶の湯といえばお抹茶。それに対して煎茶文化が緑茶。と言い切ってしまうのは乱暴かもしれませんが、お茶の二大文化であったことは間違いないようです。盆栽も生け花と比べられることも多いようですが、個人的にはどっちでも好きなように合わせたらいいのではないかと思います。

【売茶翁(ばいさおう)って】

工藤先生がスライドでご紹介くださった、「売茶翁」という仙人風のこの方の風貌、伊東若冲筆というのも相まって、好みのタイプです。柳のようにしなやかなあり方は、様々なしがらみにとらわれている我々に哲学的な問を投げかけているようです。

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売茶翁は、子供の頃から優秀で、寺で教育を受けたものの、病気がちであったようで、成人後に自己の心身を鍛錬するため修行の旅で遊歴したとのこと。元の寺に戻り、後を継いだものの、還暦を過ぎた頃に辞職して京都の賀茂川べりに「通仙亭(つうせんてい)」を開いて売茶活動(ばいさかつどう)を始めたようです。限られた時間の中で、工藤先生は売茶翁のお話しを中心に、煎茶文化史をたっぷりお話しくださいました。

数行では説明しきれないので、詳しくは入間市博物館へGo!

文人たちよ】

売茶翁が活動してきて、ようやく出てきました。「文人(ぶんじん)」というキーワード。工藤先生から講義内で盆栽についての言及は多くはありませんでしたが、私はこれこそが盆栽と煎茶文化の共通点ではないかと思います。

一般に「盆栽」としてメジャーな姿でイメージされる姿はどっしりした根張り(ねばり)の松だと思います。いわゆる和風の屏風や垂れ幕に描かれる松です。これを「模様木」といい、それに対して「文人木」という仕立て方があります。それこそ、「なんでこんなにひょろっとしたのがいいの?」という素人丸出しで「意味わかんねー」と言いそうなスタイルです。着飾った姿ではなく、自然でありのままの姿。盆栽そのものというより、盆栽を置いた「空間」その全体から侘び・寂びが感じられるもので、その空間の創り方が味わい深いものになります。どちらの仕立て方も盆栽ファンの間では人気のスタイルです。

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【売茶翁は盆栽嫌い?】

これは、工藤先生のお話しではなく、私の勝手な推測です。売茶翁はもしかしたら盆栽は嫌いだったのではないでしょうか?なぜなら、盆栽を鑑賞するのは、「自然の中でお茶を楽しみ、語らう」という売茶翁のスタイルとは異なり、「小さな鉢の上に自然の風景を創り上げる」という、ある意味人工的なものだからです。また得意の妄想ですが、売茶翁だったら、「さて、今日は天気が良いからピクニック行って木陰で色々話そうか」といった感じで、自然の中に身を置くことを好まれたでしょう。

盆栽は「ピクニックに行けなくても自然を身近に感じたい」という、まあ、売茶翁から見ると俗世間にまみれた人の欲が作り出したものかもしれません。

ここから先は長くなりそうなので、お茶を飲んで文人たちと語らいましょうか。

 

【おまけ】f:id:katsuo_24:20190623114711j:plain

先日、北海道の紋別市に行く機会がありました。オホーツク海沿いの街路樹は「蝦夷松」でした。街路樹にその土地固有の樹種が用いられるというのがいいですね。北海道の夏の花、ハマナスも色を添えていました。