次世代を担う盆栽家が静岡に

流ちょうな英語で解説しながら、盆栽のパフォーマンスを行う快活な若者。そんなネット上の動画で見ただけのイメージをもって、彼がいる静岡の盆栽園にお邪魔しました。

 

苔聖園(たいしょうえん)

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静岡市の東部、日本平動物園の近くに盆栽園があることを、静岡市出身でありながら、盆栽初心者の私は存じておりませんでした。しかし、ネットで気づいてからどうしても行ってみたい盆栽園の一つになっており、ようやく出かけてみました。

車でないと行きにくい場所ですが、道路脇からすぐにガラス越しで盆栽園が見渡せるつくりになっているため、モダンな庭園のようです。解放感があるのでとても入りやすいのがいいですね。

 

【いきなり二代目登場!】

アポなしで突然お邪魔したにもかかわらず、ネットで見たあのパフォーマンスをしていたお兄ちゃんが、入口入ったとたんに立派な真柏(しんぱく)の盆栽の横に現れました。ラッキー!あの人だ!お話し伺いたい!と思っていたら、とても気さくに「いらっしゃい」と話しかけてくれました。

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園主さんはお父様なので、漆畑さんと名字で呼ぶのも紛らわしいと思い、失礼ながら大雅(たいが)さんと呼ばせていただきました。カッコいい名前で羨ましいです。

初代園主は、寡黙に作業場でお仕事されておりましたが、気遣って「お茶飲んでいって」と促してくださいました。

 

【ワンポイントアドバイス

そりゃ、若いと言っても、長年盆栽業界でお仕事されていらっしゃる方です。こちらの知識や技量もすぐにお見通しで、私の拙い質問にも丁寧にお答えくださいました。

自宅の五葉松のボサボサ感をなんとかしたかったので、口頭で状況を伝えてお手入れ方法を質問したところ、「風が入らないってことだね?」と、近くにあった五葉松を見本に、「まずは、こういう風に生えている去年生えた古い葉を落とせばいいよ。それでも風が通らなかったら邪魔な枝は切っていいよ」と実物で解説してくれました。

なるほど!本を読んでもなかなか分かりにくいのですが、実物で解説してもらえるととても分かりやすい!百聞は一見に如かずです。

 さらに、初心者の私が気軽に手入れ方法を聞く場所がなくて困っていることを察して、「この本がいいよ」とオススメしてくれました。

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もちろん帰ってから速攻ネットで買いましたが、今は発行されていないため、中古本を購入しました。本は古くても、盆栽の歴史はもっともっと古いので、書いてある内容がすぐ時代遅れになるファッション誌のような類のものではありません。こういう点で、盆栽の本は中古でも良い参考書となります。

 

  【こんなところで盆栽アカデミーの話】

私が今年盆栽アカデミーに通ったことをお伝えしたら、さすが二代目はご存じでした。ご存知どころか「Aさん知ってる?」と、私がアカデミーでお世話になった方の話になり、急に親近感がわいちゃいました。盆栽界では今年始まったばかりのアカデミーのことも知れ渡っているのだと驚きました。

「中級コースの抽選に落ちちゃったんで、ブログのネタ困って盆栽園めぐりのネタあげているんです」と言ったら爆笑されました。

その後、別の機会にAさんから「大雅さんは日本の次世代の盆栽界を担うお一人です」と伺い、改めて感心するとともに、スゴイ二代目と同郷というだけで嬉しくなりました。

 

 【ついに真柏入手】

片手に乗るような小品(小さい盆栽作品)からどっしりした大品(大きな盆栽作品)まで、広い園内いっぱいに並べられていましたが、私のお小遣いで買える真柏の盆栽を購入したいと言ったら、色々ある中から選んでくれました。まだ目利きができないうちは、予算と希望の樹種(じゅしゅ)を伝えて見立ててもらうのがいいですね。

そして、「こっちは将来性がないからこれもついでにどうぞ。色々チャレンジしてみて」とオマケしてくれました。超ラッキーです!

しかし、初心者の私には、どちらが将来性あって、どちらが無いのか、見分けがつきませんでした。わかりますか?

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 左が将来性無い方とのこと。うーむ。まだまだ修行が足りないです。しばらくは水やりだけで眺めて暮らすことになりそうです。

 

【実は盆栽を育てやすい気候の静岡】 

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 静岡ってお茶とみかんのところだよね~というイメージですが、あるんです。ここにも盆栽が。そして、雪が降らない温暖な気候は、実は盆栽にとても適していると気づいたので、老後の静岡移住計画も盆栽と共に移れそうです。