中級、実技シリーズ <エピソード2 ~師匠の決断~>

【衝撃の大きな決断】

さて、再度デモンストレーションです。さて、原師匠、お次の技は。なんと!!左側の太い枝を切り落としてしまうという衝撃波!!(すみません。ビビリ素人にはこんなに立派な太い枝を切り落とすという発想自体が生まれてきません)しかし、原師匠はこの樹の将来の姿をイメージした上で、「この枝は不要」と判断し、切り落としてしまいました。ひょえ~! 

f:id:katsuo_24:20180610071554j:plain

原師匠が、デモンストレーションで真柏のかなり太めの枝をバッサリ切っても、皆真剣にその手元も見ているだけです。「おおーっ!」という初級コースで見られた驚きの声が今回は聞こえません。人間、一度見たものは慣れてしまうのですね。可愛くないというか、学習したというのか、免疫恐るべし。。

しかし、根元から全部切り落とすのではなく、少しだけ枝元を残しておきます。なぜ??それは、残した部分でジンを作るのです。さすが師匠!そんな発想自体が素人には出てきません。脳みその皺を刻んでまたお利口になりました。

 ちなみに、ジンを作るのは一年中どの時期でもできるそうですが、冬は樹皮が固くなっているので剥きにくいとのこと。成長している春から秋くらいが樹皮を剥きやすいようです。必要以上に樹皮が剥けてしまわないよう、予めぐるりと浅く切り込みを入れておきます。

 【真柏トリマー?】

柏の葉の整え方が私は分からずに悩んでいたのですが、今回の原師匠のデモでスッキリしました。

f:id:katsuo_24:20180610071959j:plain

写真のように親指と人差し指で挟むように葉先を握り、そこから飛び出た葉をつまんで取っていくのです。おおー!これは分かりやすい!師匠が「美容師さんが髪の毛をカットするときに指先で挟んで飛び出たところをカットするようなもの」と表現されたことで腹落ちしました。これなら私でも楽しく床屋さんごっこできそうです。

▽こちらが、原師匠がデモで手掛けた真柏です。見違えるくらいスッキリして盆栽らしくなりました。 角度もポイントですね。

f:id:katsuo_24:20180610072414j:plain

【師匠のお手本でおさらい】 

おさらいのために、原師匠のデモのスナップを並べてみます。時系列で左上→右上→2段目左→右→3段目左→右という写真の流れになっています。

f:id:katsuo_24:20180610073320j:plain

左上の最初の素材が右下の盆栽と同じ樹だとは思えません。原師匠にはこの完成形が手入れする前から見えているのでしょう。

一方、私の真柏ちゃんは、まだまだ悩みの多いお年頃なので、中途半端です。都会人にあこがれる地方出身者のように、ゆっくりでも少しずつ垢抜けていきたいものです。師匠のお手本の後に載せるのは恥ずかしいのですが、自身の成長記録のために私が担当する真柏ちゃんのビフォーアフター載せておきます。

f:id:katsuo_24:20180611222952j:plain

 △Before               △After

 

【盆栽には休息を、自分には宿題を】

本日の作業後は、培養所で預かってくださいます。いっぱい剪定した後なので、お水もたっぷりあげて樹を休ませます。しばらくお世話になりますm(_ _)m

f:id:katsuo_24:20180611221759j:plain

今回、宿題が出されました。次回の講義までに自分の真柏のスケッチを描いて樹形構想を練るというものです。まじですかー!と怯みそうになりますが、これも自分の成長のためなのでがんばりまーす。(夏休みの宿題のようにきっとギリギリまでやらない派)

 

 【おまけ:もみじの葉刈後の処理】

培養所にちょうど今期の初級コースの皆様が扱ったもみじが置いてあり、もみじの葉刈り後の新芽の処理方法を原師匠が教えてくださいました。葉を小さくするための葉刈り後に新芽がドバっと同じ枝先から吹き出てくる場合、勢いのある新芽も摘んだ方が良いとのことです。

f:id:katsuo_24:20180611222053j:plain

もみじは柔らかな新緑や紅葉を楽しむものだと私のような素人は考えがちですが、原師匠曰く「冬の枝の美しさを追求するもの」だそうです。先日の芙蓉園の竹山さんの作品を思い出しました。そっか、、あの息をのむ美しさは、細かな枝の作り方から生まれるのですね。もみじはすぐ伸びてしまうので、バランスよく細かな枝を作るのは難しそうですねー。奥が深いです。。