お待たせ!盆栽界の革命児、平尾です。

もう、今回は女性受講生が浮足立って大変です。昨今メディアでも有名な平尾成志(ひらおまさし)さんの講義「盆栽の国際事情」です。

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盆栽アカデミーも平尾さんを講師に招聘するところが攻めていていいですねー。伝統も大事にしながら新しいことにチャレンジする、カリキュラムの幅広さがとても魅力です。

【世界の盆栽認知度は侮れない】

平尾さんは、2013年に文化庁文化交流士として世界各国を訪問され、各地で盆栽の普及活動に貢献されています。

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意外に日本人が思う以上に世界での”BONSAI”(私が海外ドラマで聞いた発音は「ボンザイ」と聞こえます)知名度は高く、アートとして高く認識されているように思います。それは、盆栽美術館や盆栽展での海外からの来訪者の割合からもうかがえます。逆に、我々日本人が盆栽の魅力を日本人にさえ十分に伝えられていないことが残念です。

 【各国の特徴】

さすが現地に行かれた生の声は面白いです。上記各国を訪問され、各地の盆栽園や展示会、イベントなどの体験を写真と映像を交えてお話しいただいたのですが、それぞれの特長があります。

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f:id:katsuo_24:20190706174700j:plain正統派からすると眉をひそめそうなスタイルでも、 「このようなスタイルがある」と、否定ではなく淡々と紹介されていました。まあ、絵画の歴史でも、ピカソやらゴッホやら色んな革命児がいますから、何がどう評価されるかは、その時代の流れでしょう。

平尾さんは蔓青園(まんせいえん)という、由緒ある盆栽園で先代の加藤氏に師事し6年間修業され、現在は成勝園(せいしょうえん)の園主としてご活躍です。見た目はイマドキのお兄ちゃんですが、しっかりした技術と経験をお持ちの方です。実力があるというのはどの世界でも通用しますね。

【うかうかしとれん】

イタリアやスペインをはじめ、ヨーロッパでは日本で修行を積んだ盆栽技師もおり、イタリアでは盆栽学校も日本より先に開校しているのです。日本のとある盆栽園の園主の話で、「外国人は日本人より『自国に帰って盆栽で事業を興す』という意識が強いから、奴らは強い」と伺ったことがあります。日本人がフランスの田舎でワイン造りの修行を何年もして日本でワイン事業を興すような決意でしょうね。ううー、私とは気持ちの入れ方が違いすぎる。。

そんな熱量をお持ちの方々が、世界各地で盆栽園を運営し、それぞれ活動されていることに頭が下がります。

【新しいチャレンジ】

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平尾さんは、伝統的な日本の盆栽文化を伝えるだけでなく、アートとして新しいジャンルにチャレンジされています。音楽ライブでの実演など、モダンなパフォーマンスがカッコイイですねー!世界各地で一匹狼みたいに盆栽パフォーマンスを行う姿はまさしくサムライ!Youtubeでいっぱい映像はあるので、平尾ファンはそちらへ。

【これも盆栽?】

各地の盆栽を写真で紹介いただきましたが、「これが盆栽??」と思うようなものもあります。外国文化を自国に取り入れて独自に進化させるのは日本人ばかりではありませんね。その土地の植物で仕立てる方が自然なスタイルのようにも思います。

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そして、美的感覚が違う点が面白いですね。視野を広げることによって自分の好きなものが見えてくることもあります。

【あえて飛び出した平尾氏】

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講義後に質問させていただきました。「どうしたら盆栽文化がもっと普及できるのでしょう?」その質問に、平尾氏は「だから自分は(独立して)外に出た。若い世代がもっと活躍できるようにしなければならない。」と仰っていました。

若い世代、、かなり過ぎてしまっていますが、若い世代を応援することはできますね。自分も楽しみながら応援できたら楽しそうです。

  

【おまけ】

盆美のエントランスに飾られていた「青嵐(せいらん)」という銘がついた推定樹齢120年の黒松です。

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 講義で世界一周をした後で思ったのは、やはり私は日本の盆栽が好きだということです。ドーンとした直幹スタイル、見ているこちらも背筋がスッと伸びます。