小品盆栽の粋、秋雅展
盆栽の展示会というものが、全国各地で年中開催されています。私にはたくさんありすぎてよくわかりません。今回は盆栽園の方に勧められ、小品盆栽のメジャー展示会「秋雅展(しゅうがてん)」に行ってみました。
【上野グリーンクラブへ】
11月3日文化の日は、晴天に恵まれ、上野駅は次々と人を吐き出しておりました。この時期、上野は美術館や博物館、動物園、公園と、様々な施設でそれぞれ展示やイベントが行われており、休日の朝はそれぞれの目的地に分散していきます。人々は、色づく銀杏並木の中、目でその美しさを堪能しつつも、鼻を刺激する銀杏のにおいから逃れるように足早になります。
【秋雅展】
これが今回のメインイベントです。東京地区で開催される最大の小品盆栽フェアーで、上野グリーンクラブという上野公園から少し歩いた場所にある会場で開催されました。私は盆栽アカデミーで一緒だった友人たちと行ってみました。
【集まった集まった】
まあ、よくこれだけの展示数が集まったものだと感心するほど、多くの小品盆栽の展示がありました。小品盆栽の飾り棚は独特で、棚の上や中、棚と離れた位置に小さな盆栽を飾り、小振りの掛け軸を飾るなどして全体で一つの席飾りとして展示されています。
中には指先ほどの小さな鉢できちんと実をつけている作品など、思わず「ほぉ~」っと近くに寄ってため息が出てしまうものもあります。どうやったらこんなに小さな鉢で実がつくのか、、それまでのお世話の賜物でしょうね~
河野洋平さんの作品もございましたよ。全体の席飾りは写真がうまく撮れなかったので、小さな作品とお名前部分だけアップで。カエルが風流ですねぇ。個人的な推測ですが、お忙しい方は、きっとお抱えの盆栽師さんがお世話されているんでしょうね。
【凝縮された作品たち】
百聞は一見に如かずです。グタグタした話より写真でいくつかご紹介します。どれも樹高20cm以下の小さな作品です。
【お気に入りはフォルムが美しい作品】
枯れているのではなく、落葉している木なのですが、密度の濃い細かな枝先が見事で、飾り台の根卓(ねじょく)との一体感でフォルムの美しさが相乗効果となり、その流れを受けるように置かれた塔の置物がさらに引き立て役となり、全体で中国の水墨画のような独特の雰囲気を醸し出しています。会場にはいくつか部門が分かれており、「秋雅賞」がそれぞれの部門で選ばれていましたが、こちらも秋雅賞を受賞されていました。
【販売会場】
さて、鑑賞の後は、屋外での販売会場を回ります。各地の盆栽園が所狭しと小品盆栽や苗、鉢、道具などを並べており、ワクワクする会場です。
特にこれと目指しているわけではなくても、色々物色していると掘り出し物が見つかって楽しいものです。手をかけて年数が経っている見事な盆栽は何万円もするので買えませんが、自分でこれから育てるものなら手が届くお値段で販売されています。
ケチな私は、添えになりそうな指でつまめるサイズの小さな苗と、それに合いそうな鉢を購入しました。笹の苗が200円、ヒナギクの苗が500円、鉢もそれぞれ200円、500円という安さです。それでも、何か買うと満足度が一気に高まります。
【小品作ったどー】
後日、植え替えの時期って春なんだろうなーと思いつつ、ビニールポットでは悲しいので、秋雅展で購入した苗を早速鉢に植えつけました。
笹とヒメサクラヒナギク、どちらも樹高7㎝の小品盆栽となりました。無事に根付いてくだされ~
今の時期だけの花を楽しむために玄関に置いてみましたが、小さくてもなかなか絵になります。