緊張の第1回スタート

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2017年5月13日 第1回目の授業

【講義】盆栽の鑑賞法・種類と樹形

講師:学芸員 林 進一郎 先生

 

受講生は少し緊張しつつも、期待感たっぷりです。そして林先生の座学が始まりました。まずは盆栽の鑑賞方法から。正面と裏側の見分け方です。

 

正面は根元の立ち上がりから幹がすっと見えるところで、横から見ると手前にお辞儀をしているように頭の部分が出ている方向が正面とのこと。これが基本のようです。次に盆栽の見方、ぐっと近づいて下から見上げる。すると、まるで大木のように枝葉の広がりを感じることができます。ドールハウスに自分が入り込んだようです。

 

本物の盆栽、松柏盆栽(しょうはくぼんさい)の代表として五葉松、雑木盆栽(ぞうきぼんさい)の代表としてイワシデを教室に用意してくださっているので、映像だけでなく実物を用いた解説がとても分かりやすいです。

 

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(これは上の写真の先生の後ろにある盆栽です。このように近づいて見上げることで、小さな盆栽が大木のように見えます。これが盆栽の表現する世界観なのです。)

 

講義では、盆栽の定義から始まり、ネバリ、コケ順、シャリなど、専門用語がポンポン出てきますが、ちゃんとテキストやプロジェクターを用いて口頭で丁寧に一つずつ説明してくださいます。そして樹種とその特徴など、もう全てが新鮮で未知の世界。どんどん引き込まれていきます。

 

盆栽は、自然に生える草木の姿を人が手を加えて鉢の上で表現していくものです。あくまでも「自然の姿」がお手本なのです。一分一秒、刻々と変化していくアート。これが盆栽の特徴です。

 

あっという間に1時間半の授業が終了。面白いのなんのって。もう初回授業受けただけでちょっと分かったような気がしてます。これまでだったら「うーん、これは好きかな。こっちはあまりタイプじゃない。」くらいの表現しかできなかったものが、注目点が分かるだけで、鑑賞方法にぐっと奥行きが生まれます。

 

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【授業後のお庭】

 あいにく雨でしたが、雨の中の庭園もしっとり濡れた盆栽たちが見事な佇まいで展示されています。

ここで今日の講義の復習です。盆栽は「下から見上げる」ことで「大きな自然を縮小して再現している芸術」ということが分かりました。

受講前と受講後では全く見方が変わるのが面白いですね。