盆栽ワークショップでエネルギーチャージ
盆栽美術館では、毎月様々な催しが行われていますが、盆栽ワークショップは大変な人気で、毎回抽選が行われているようです。こちらはラッキーにも当選したので行ってきました。
(▽今回のワークショップで作成した長寿梅の盆栽)
【久しぶりの実技講習】
今回申し込んだのは、「長寿梅(ちょうじゅばい)」という樹種の寄せ植え盆栽を作るワークショップです。盆栽アカデミーとの違いは、アカデミーが初級コースだけでも全8回の座学と実技を交えたカリキュラムだったものに対し、ワークショップは初心者向きの体験レッスンという位置づけのようです。机に用意された道具と苗を見て、早くもワクワク感が止まりません。
【長寿梅】
梅っていうから梅の一種だと思っていたら、大間違い。バラ科でボケの一種で、花の形が梅に似ていることからその名前がついたようです。そして、面白いことに華道やフラワーアレンジメント、園芸などでは扱われることがなく、盆栽のみで扱われる樹種だとか。その名前からも縁起が良いということで、盆栽界では有名な樹種だそうです。本日の見本として飾られている長寿梅の盆栽は、綺麗に手入れされており、このまま売ってくれ!という感じです。
【講師はあの!】
本日の講師は、九霞園(きゅうかえん)という、大宮盆栽町でも由緒ある盆栽園の三代目園主、村田行雄さんです。やったー!これだけでもラッキー!本物の盆栽師から直接教えていただける機会なんてそうはありません。オタクっぽい風貌がいかにも真面目な職人風でシブイです。
【道具の使い方から】
村田先生、恐らく何度もこのワークショップやられていらっしゃるのでしょう。手慣れた様子で進行してくださいます。盆栽で使う独特の道具、針金切りやヤットコの持ち方から教えてくれるというのが、初心者に優しい気配りです。また、鉢底にネットを固定する針金の曲げ方も、実物モデルを予めご用意くださっています。おおー!至れり尽くせり!
【復習を兼ねて鉢の準備】
盆栽アカデミーで習い、その後自分で買った盆栽苗を自宅で植え替えしたので、鉢の準備は復習という感じで余裕がありました。えへへ。でも、ワイヤー2本を掛けたのは初めてです。色々な技があるんですね。
そして、鉢底の赤玉土は私が思っていたより少量で良いとのこと。小さな鉢の中で根を張らせるためには、細かな土を多く入れる方が良いようです。見えないところにも気配りするのが植物に対する愛情ですね。
【徒長枝(とちょうえだ)の剪定】
ポットに入ったままの苗の徒長枝を剪定します。確かに、鉢に植えてからだと苗の向きや位置などのバランスが想定と異なった時に修正できませんよね。
枝を切る位置は、枝の色が薄く、今年伸びた部分が分かるので、その下から2、3枚の葉が出た上部分で切ります。ええー!こんなに切っちゃうなんてもったいない!と思うくらいで良いらしいです。盆栽は小さく鉢の中で長い時間をかけて育てるものなので、急がない、急がない。(▽剪定BeforeとAfter)
【いよいよ植え替え】
苗をポットから出し、ピンセットで落ち葉やゴミを取り除き、箸で古い根をほぐします。このとき、全部の土を落としてしまうのではなく、優しくほぐして新しい鉢に収まるくらいになれば良いとのこと。鉢にも正面があるので見極めますが、丸い形の鉢は、鉢底の穴から水が出てくるところを正面にしないのがポイントだそうです。
今回は大きい苗1本と小さな苗2本の計3本を一つの鉢に寄せ植えするので、それぞれの枝の向きや流れを素人なりに考えながら位置を決めます。村田先生の「空間を作る」という盆栽家っぽい教えが妙に嬉しかったです。
先に鉢にセットしておいた針金を使って入れた苗を鉢に固定し、細かな赤玉土を隙間に入れていきます。
【苔でお化粧して完成!】
さあ、植え付けも終わり、最後に苔をピンセットで土の上に置いてアレンジします。苔が少なければ枯山水風に苔をポイントとして配置するのもデザインとしてオシャレです。
ええ、私は貧乏性なので、苔をたっぷり使ってしまいました。完成後はお水をたっぷりあげ、飾り用の地板(じいた)をお借りして撮影タイム。ああ、久しぶりに満足感たっぷりです。
【後日談】
ワークショップで寄せ植えした長寿梅ちゃん、我が家に来てから毎日お水をあげておりましたが、可愛らしい蕾をつけました!感激です!
日々変化し、成長する姿を楽しむことができるアート、盆栽の楽しみを味わっております。盆栽は、見るだけでも楽しめますが、育てると愛着がわいてこれまた楽しいものです。