必要から生まれる変な形

気が付けば師走も半ば過ぎ。我が家の盆栽たちも早く冬支度しなければ、、と思いつつまだ手が付けられておりません。ごめんね、冬でも半袖と短パンの子供のように逞しくなってくれ。

 【盆栽道具といえば、昌國】

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初心者なので、全く道具についても素人なのですが、盆栽道具で有名な昌國(まさくに)というお店が川口にあるという話を聞いていたので、行ってみました。

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長年この地で営業されてきたことが分かる、蓄積された重みを感じる建物です。一瞬、私のような素人が入って良いものか躊躇したものの、怯まずにお邪魔します。

 

【博物館も併設】

入ると、「博物館ですか?ご覧になります?」とのこと。しばらくきょとんとしておりましたが、こちらは1Fが刃物の販売店、2Fが刃物の博物館となっております。これは見るしかないでしょう。

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 【ひっそりと、ずっしりと、宝物が】

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珍しい博物館です。昔ながらの様々な道具がずらりと並んでいます。その点数は数えきれないほど。いやはや、よくこんなに集められました。昔は近所の町工場にあったような道具も今では貴重な資料です。

 

【盆栽道具】

盆栽道具ってどんなの?鋏(はさみ)だけじゃダメなの?というところから私は入りましたが、まあまあ、最初は鋏だけでもいいと思います。よく切れるものでないと木を痛めてしまうのでNGですが。ちょっと盆栽植え替えたいな~と思うと、針金切りややっとこという道具も欲しくなります。安い工具でも間に合うので、初めから全部を揃えなくても良いというのが私の考えですが、やはり、数多く盆栽を扱うようになると、専用の道具の便利さに驚きます。 

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そして、用途に合わせてこんなに多くの種類があるのです。冒頭の写真も全部盆栽道具です。

(私はまだまだ違いが分からないヤツなので、今の自分にこんなに道具があっても宝の持ち腐れになってしまいます)

  

【変な形ワールド】

盆栽道具って、通常の生活では見たことが無いようなヘンテコな形のペンチみたいなものがたくさんあります。

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樹に負担をかけずにスパッと一度で切り、後の樹の自然治癒力で傷跡が目立たないように成長できるようにと考えられているのでしょう。

 時々街路樹で見かけることがあると思いますが、樹木はその樹皮に傷ができると、傷の部分を巻き込むように樹皮が成長していくので、傷周りがポッコリと盛り上がってしまうのです。

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枝切り用や根切り用、葉切り用、針金用など、大きさも各種です。大きく樹形を変えるためのジャッキだってあるんです。きゃー。

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昌國では、代々試行錯誤しながら多くの盆栽専門道具を開発されてきました。特に九霞園の園主と昌國との道具開発にかけたお話は業界でも有名です。今では、昌國というブランドは、BONSAIと共に海外でも知られており、海外からのツアー客も訪れるとのこと。

 【鑑定団でも!】

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一見普通の鋏が希少価値とは。。有名なテレビ番組「開運なんでも鑑定団」で発見された初代昌國の鋏だそうです。こうした鋏って田舎のおじいちゃんの家に転がっていそうですが、専門家の道具はやはり違うのでしょう。よく見つかったものですね。小市民には鑑定額が気になります。

 

  【初心者は道具の手入れから】

2Fの博物館で刃物を見学した後、1Fのショップで色々な盆栽道具を見せていただきました。良いものなので、高いのは仕方ないのですが、実際に持たせていただくとさすがに使いやすそうな感触です。当然ですが、専門家が満足できる品揃えです。

しかし、ポンと買えないので、今日のところはお小遣いで買える鋏の磨き用具を購入しました。道具の手入れは意外に重要だと思っています。包丁にも使えるそうです。研ぎ用の石欲しかったのですが、それはまた別の機会に。

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私が次に狙うのは、又枝切です。ああ、こうして道具も沼にはまっていくのか。。